こ【鉄】ちゃん

我が青春の集大成ともいえるJR北海道に遥か彼方、四国から熱きオマージュを捧げ、基本的なデータをまとめてみました。

電 車

485系電車3000番台
485系電車3000番台

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 ---
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 1996年から2001年にかけて、JR東日本が485系電車1000番台車を中心に行ったリニューアル改造車で、一連の改造で最も変わったのは先頭車のクハ・クロハ481形です。従来の運転台屋根部分がすべて撤去され、新しい屋根構体に載せ換えられ前面ガラスが1枚の大型ガラスになりました。前面にFRP製マスクを取付けて愛称表示機をLED化され、スカート部へカバーが取付られて前灯も変更したためにイメージが一新されました。
 土崎工場(現・秋田総合車両センター)と青森運転所東派出所にて9両編成2本・6両編成12本と増結用3組6両の96両が改造施工され、青森運転所と上沼垂運転区に配置されました。2005年12月25日に発生したJR羽越本線脱線事故もこの車両系統で、2007年3月31日に事故車両は捜査終了後、本区分番台初の廃車となりました。

運用の変遷・現況

JR北海道
 所属車はありませんが、JR東日本青森車両センター所属車の「白鳥」(1988年3月13日~2002年11月30日は「はつかり」)が函館まで乗り入れています。かつては1000番台も使われたことがありますが、現在では3000番台の津軽海峡線を走行するため対応編成のみで運転されています。
JR東日本・青森車両センター(盛アオ)
 現在、青森車両センターには6両編成6本と増結用4組8両の44両が配置され、「白鳥」「つがる」で運用されており、クロハ481-3021・クハ481-3005の2両を除く42両が津軽海峡線対応車となっています。また、間合い運用で津軽線の普通列車にも投入されることもあります。

形態区分

クハ481

  クハ481

【3005】・3006・3010・3020・3022・3030
 【 】は津軽海峡線非対応車。
 300番台からの改造車の車番は原番号+3000です。
モハ484・485

  モハ484 モハ485

3009・3014・3022・3031・3035・3038・3046・3047・3049・3051・3059・3062・3067・3068・3081・3087
 モハ485形の定員は72名。一部の車両ではトイレを車販準備室に、洗面所を電話室と荷物置場に変更されています。モハ484形では、一部の車両にバリアフリー対応の車いす対応大型洋式トイレ、多目的室を新設し、客室出入台側に車いす対応座席が2脚設置されました。通常車が定員64名であるのに対し、車いす対応車は58名となっています。
クロハ481
 3012・3015・3016・3017・3019・【3021】
 【 】は津軽海峡線非対応車。
 定員はグリーン室16名・普通室36名となっています。

改 造

共通の改造内容
 青森車の外板塗装は、新潟所属車と同じく白と青を基調にしたものですが、若干紫に近い青となり、クハ・クロハの前面マスク部分の塗装は黄色で「North East Express 485」と「EAST JAPAN RAILWAY COMPANY」のロゴが入っています。また乗務員扉前にも先頭部と同じロゴが入ります。側窓の下辺を台枠から845mmとし、窓の大型化と窓ガラスの内側取付ユニット化されました。各車両の仕切戸と妻引戸上部に電光表示の室内案内情報装置・号車番号案内装置・禁煙表示装置が設置され、行先表示器もLED化されました。車内は出入台と運転室の床敷物をノンスリップタイプに交換、化粧板は張替されて、出入台照明がダウンライト化されています。
トイレについては、真空吸引式洋式に交換され、従来の洗面所を撤去してユニット式になる男子トイレと小スペース用洗面所が新設されました。
普通車のシートピッチは910mmのままフリーストップリクライニングと座面のスライドが可能な物に交換され、荷棚も新タイプへ変更となりました。また、喫煙車への空気清浄機の取付げ行われました。一部車両に車椅子対応座席の設置などバリアフリー化され、モハ485形の一部車両へ車販準備室と電話室が設置されました。また、グリーン車は新幹線200系電車と同様の荷棚、カーテンキセを含めたFRPカバーへ交換され、クロハ481形は4列のまま新型シートに交換となっています。

711系電車
711系電車

基本データ

●起動加速度 1.1km/h/s
●営業最高速度 110km/h
●減速度(常用最大) 2.5km/h/s
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 国鉄が1967年に設計・開発した日本初の量産交流近郊形電車で、函館本線の電化事業と並行して、徹底した耐寒耐雪機能を考慮して開発されました。また、北海道内初となった国鉄電車でもあります。
 1967年に試作車2編成4両が完成し各種試験が行われた後、量産車が1968年から製作されて同年8月28日の小樽~滝川電化開業時に営業運転を開始しました。1969年の旭川電化、1980年の千歳線~室蘭本線室蘭~沼ノ端電化と道内の電化区間が延長される度に増備されました。
 汎用的に使用できる車内設備の利点を生かし、普通列車だけではなく過去には「かむい」「さちかぜ」の急行列車にも使用され、1987年の民営化時には全車がJR北海道に承継されたましたが、後継の721系~731系の製作により、1990年代後半からは淘汰が進んでいます。

運用の変遷・現況

 JR移行後の本系列は専ら普通列車~快速列車に使用され、1992年の新千歳空港に開港に伴い、快速「エアポート」の一部列車に使用され、1998年まで新千歳空港駅に乗り入れていました。しかし、721系の増備により快速「エアポート」の運用はなくなり、1997年より731系の使用開始とともに本系列の淘汰が開始されました。試作車の900番台は1999年までに運用を終了し、初期製造の基本番台と50番台は2004年までに全車が運用を終了し、残存車はすべて後期製造の100番台となっています。
 3両編成16本計48両が札幌運転所に所属し、函館本線(小樽~札幌~旭川)、千歳線・室蘭本線(札幌~苫小牧~東室蘭~室蘭)で運用されています。函館本線では岩見沢~旭川、室蘭本線では苫小牧~室蘭で主として使用されていて、札幌近郊の区間では高加減速性能が求められるため、ラッシュ時間帯を除いてほとんど運用されていません。

形態区分

クモハ711形
 運転台をもつ制御電動車で、奇数向き(旭川方)で使用されます。トイレ・洗面所はなく、3~4位側車端に雪切り室があります。定員は84名(うち座席72名)です。
 電装機器を1両にすべて搭載する電動車で、電動発電機・空気圧縮機も搭載されています。試作車の2両のみが製作されました。
モハ711形
 運転台のない中間電動車でトイレ・洗面所はありません、定員は96名(うち座席78名)となっています。
 搭載機器はクモハ711形と同様の構成で、運転台を省き「雪切室」の配置を点対称(2~3位)に変更した構成となっており、量産車にのみ設定された形式です。
クハ711形
 運転台をもつ制御車で、試作車では偶数向き(小樽方)、量産車では両方向で使用されます。トイレ・洗面所が設置され、容量700Lの水タンクが床下に設けられています。定員は84名(うち座席72名)です。

製作年次別概要

試作車
 最小限の車両数で比較試験を行うために、クモハ711形+クハ711形の2両編成とされて、仕様の異なる2本が1967年に製作されました。
クモハ711-901+クハ711-901(S-901編成)
 客用扉は両開き式の4枚折戸、客室窓は16mm厚複層ガラス(1重)2段式のユニット窓仕様にて汽車会社製で製作されました。
クモハ711-902+クハ711-902(S-902編成)
 客用扉は一般的な片開き式引戸、客室窓はキハ56系と同様の開閉可能な1段上昇式二重窓仕様にてで日立製作所製で製作されました。

 クモハ711形に共通の装備として、連結面側車端部(3~4位)に設けた大型の雪切り室などがあり、連結方向が決まっているために、車両間の引き通しはクモハ711形・クハ711形とも「片渡り」構造となっています。
 1980年の第3次量産車製造時にクハ711形100番台を追加して3両編成とし、クモハ711形は編成の中間車として使用することとなりました。1999年10月までに運用を終了し、2編成とも廃車されましたがS-901編成のみが苗穂工場構内に残存しています。
第1次量産車
モハ711-1~9 モハ711 クハ711-1~16 クハ711  函館本線の小樽~滝川間電化開業用として3両編成を基本単位とし、運転台をもたない中間電動車モハ711形が新たに設定されて1968年に製作されました。「雪切室」は点対称配置に変更され、車体側面向かって左側(2~3位)に配置しています。
 モハ711-9は2両編成の試作車を3両で使用するための増結用として製作され、主に901編成に組み込んで使用されましたが 1980年にクハ711-118~218と編成を組成し、以後は通常の3両編成として使用されました。
 クハ711形は試作車の902とほぼ同一構造とされましたが、屋根上の通風器は一般の押込式に変更、洗面所窓の形状も変更され、車両間の引き通しは「両渡り」構造に変更されました。
第2次量産車
モハ711-51~60
クハ711-17~36
 函館本線の旭川電化用として、1969年に製作されました。モハ711形は誘導障害対策のため各電気機器の仕様を変更し、車両番号は50番台を付番して区別されています。
 クハ711形は循環式汚物処理装置の準備工事がなされた程度で大規模な仕様の変化はなく、番号は第1次量産車の続番とされました。
第3次量産車
モハ711-101~117 モハ711 100番台 クハ711-101~120 クハ711 100番台 クハ711-201~218 クハ711 200番台  千歳線~室蘭本線(札幌~苫小牧~室蘭)電化用として、1980年に製作されたグループで、各部の仕様が変更され100番台に番号区分されました。客用扉がステンレス製になり、側面に字幕式行先表示器を装備したため、その位置の窓は固定式となりました。クハ711形では当初から前照灯を4灯構成とし、正面上部にホイッスルを装備しています。
 本区分では車両間の引通しが「片渡り」とされ、クハ711形は奇数向き(100番台)・偶数向き(200番台)で仕様が異り、100番台はトイレ・洗面所を設けず定員は96名(うち座席70名)に増加、200番台にトイレ・洗面所を装備し、循環式汚物処理装置を当初から装備しています。
 クハ711-119・120は2両編成の試作車を常時3両編成で使用するために製作され、クモハ711形の前位に連結されて運用されました。

改 造

試作車の量産化
 まず1968年に1回目の改造が行われ、制御機器類の誘導障害対策・量産車との併結対応がなされました。
 2回目の改造は1970年度に行われ、S-901編成では4枚折戸を通常の引戸に変更され、主回路の各機器なども変更し、二段窓を除き量産車とほぼ同一の仕様に改められました。
前照灯増設
 降雪時の視界確保のため、正面上位の種別表示器直上部に砲弾型外装のシールドビーム2灯を増設し4灯化する改造が行われました。まず、1973年にクハ711-3・4に試験取付が行われ、1977年からクモハ711形・クハ711形に施工開始、1979年に全車への対応を完了しています。
主変圧器などの非PCB化
 従来より変圧器の絶縁油として使用されてきたポリ塩化ビフェニル (PCB) は1972年に製造が禁止されたため、第2次量産車までに使用されたPCBを使用する機器について非PCB機器への取替えが検討され、1976年にモハ711-8~モハ711-51に試験交換を実施されました。その試験結果を踏まえ、第1次・第2次量産車の全車を対象とする交換工事が1977年から開始し、1982年に全車の交換を完了しています。
客用扉増設
 ラッシュ時の乗降客の増加に対応するため、クハ711形の車体中央部に同一仕様の片開き式扉を増設する改造が行われました、クハ711-1・2を1987年9月に先行改造の後、同年12月から第3次量産車のクハ711形を対象に改造が行われれ、施工車は扉の帯上下に同色の細帯を付して区別されています。元々車内だった部分にデッキ部が増設されてため、天井に扇風機が設置されたものはそのままとなり、デッキ部に扇風機が存在するという面白い仕様になっています。合計12両に施工されましたが、モハ711形は重量の関係で各番台とも客用扉の増設改造は行われていません。
室内設備仕様検討用
 731系電車開発に伴う仕様検討のため、1995年に苗穂工場でクハ711-112、モハ711-112、クハ711-212を対象とし改造施工されました。デッキの撤去・半自動装置・ドア開閉ボタン設置・クールファンの設置・モハ711-112のオールロングシート化など室内諸設備の仕様変更が施工され、クハ711形では比較のため一部ロングシート付き・ロングシート無し、片側ボックス席の1人掛け化など座席配置変更が施工されました。主に室内諸設備の仕様変更のため外観上の差異はほとんどありません。一般車と共通に使用されましたが、改造に起因する不具合が多発したとされため、2006年7月以降は使用されず同年11月に廃車となっています。
冷房装置搭載
 2001年より後期製作の100番台で、客用扉増設未実施11編成33両のうち9編成27両に分散式冷房装置の搭載工事が苗穂工場で行われました。
パンタグラフ換装
 着雪による離線を防ぐためと補給部品を社内で統一する目的で、モハ711形のパンタグラフをシングルアーム式に換装する工事が2004年秋から2005年秋にかけて実施されました。

721系電車
721系電車

基本データ

●起動加速度 2.4km/h/s
●営業最高速度 120km/h(F-14編成まで)130km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー 川崎重工業・日立製作所・東急車輛製造

概 要

 JR北海道が1988年から製造した交流近郊形電車です。北海道内の電化区間、特に札幌近郊において、列車運転頻度を向上するために加速・減速性能に優れた車両の必要性から開発・設計され1988年11月3日に営業運転を開始しました。
 当初はサイリスタ位相制御を用いた3両編成を基本とし、札幌駅を中心とする近郊区間で使用され、1992年には新千歳空港駅乗り入れに対応する6両固定編成が製作されました。翌1993年(6次車)からはVVVFインバータ制御を採用するなど仕様の変更を重ね、2003年まで製作されました。
 製作は川崎重工業・日立製作所・東急車輛製造にて行われたほか、苗穂工場でノックダウン生産された車両もあります。
 室内は寒冷対策として両開き式の仕切扉を設けたデッキがあり、客室は前後2室に分かれています。座席は 2+2 列の転換クロスシートで、デッキ隣接部のみは 1+1 列となっています。指定席「uシート」として使用される車両にはフリーストップ式のリクライニングシートが設置されています。 8次車では蛍光灯カバー及びデッキ仕切扉を廃止して、扉隣接部の座席を2人掛けロングシートとしています。

運用の変遷・現況

 札幌運転所に全135両が配置されて、「エアポート」・「いしかりライナー」の快速列車に充当されるほか、普通列車として函館本線(小樽~滝川)、千歳線・室蘭本線(札幌~苫小牧・新千歳空港で運用されています。

形式別概説

クモハ721形
■1-6・8-14・3015-3022・3201-3203
クモハ721  サイリスタ位相制御車編成の制御電動車で、小樽方の先頭車として組成されます。
モハ721形 モハ721 ■1-6・8-14・3015-3023・1009・4101-4104・4201-4204
 編成の中間に組成される電動車で、3両編成の2両目、6両編成の2両目と5両目に組成されます。1次車から7次車まで製作され、サイリスタ位相制御仕様とVVVFインバータ制御仕様のいずれも存在しています。
■5101-5103・5201-5203
 8次車でのみ製作された編成の中間に組成される電動車で、VVVFインバータ制御仕様で、731系電車と同様のデッキなし客室・エアカーテンおよび車外スピーカが装備されています。小樽方から2両目と5両目に組成されます。
■5001
 編成の中間に組成される電動車で、3両編成を組成する必要から1両のみ製作され、F5001編成の中間に組成されます。VVVFインバータ制御仕様ですが、編成を組むクハ721形6次車・7次車の仕様に合わせて、室内は片開き式の客室仕切戸があります。
■2107
 731系電車などと編成の車両形式記号を統一するためにサイリスタ位相制御車編成から更新改造されたVVVFインバータ制御仕様で、3両編成の2両目に組成されます。
モハ720形
■3023・3101-3103
モハ720  5次車で製作された中間電動車で、集電装置を搭載せず、クモハ721形から運転台を省いた構成となっています。6両編成の小樽方から4両目に組成されます。

クハ721形 クハ721 ■1-6・8-14・3015-3022・3101-3103
 サイリスタ位相制御車編成の制御車で、後位デッキにトイレを装備しており、滝川・苫小牧方の先頭車として組成されます。
■1009・2107・4101-4104・5001・5101-5103
 VVVFインバータ制御車編成の制御車で、後位デッキにトイレを装備しており、滝川・苫小牧方の先頭車として組成されます。1009のみ座席がuシートとなっています。
■2009・2207・4201-4204・5002・5201-5203
 VVVFインバータ制御車編成の制御車で小樽方の先頭車として組成されます。

サハ721形 サハ721 ■3022・3201-3203・4201-4204・5201-5203
 5次車と8次車で製作された編成の中間に組成される付随車で、滝川・苫小牧方デッキに車掌室と客室はuシートが設置され、5次車では小樽方デッキにトイレを装備しています。両編成の小樽方から3両目に組成されます。
■4101-4104・5101-5103
 8次車で製作された編成の中間に組成される付随車で、731系電車と同様のデッキなし客室・エアカーテンおよび車外スピーカが装備されており、小樽方車端部に車椅子対応の大型トイレも装備されています。6両編成の小樽方から4両目に組成されます。

製作年次別概要

 721系は製作年次ごとにグループ分けがなされ、製作初年の1988年から1年ごとに「~次車」と呼ばれています。
1~4次車
 ■クモハ721形 (1~22)
 ■モハ721形 (1~22)
 ■クハ721形 (1~22)
 1988~1992年にサイリスタ位相制御仕様にて製作されたグループです。最高速度は120km/hで、クモハ721+モハ721+クハ721の3両編成で使用されます。
 15~22については2002年に130km/h対応改造を受け、車両番号は3000番台 (原番+3000) に変更されました。3015、3017、3019は以前「エアポート」用に半室uシートを備えていた編成で、自動放送装置を搭載しています。3017(当時17)は唯一、苗穂工場でノックダウン生産されました。
 2010年に、一部の編成に制御系の更新を主とする大規模な改造が施工されました。
5次車
 ■クモハ721形(201~203)
 ■クハ721形(101~103)
 ■モハ721形(23、101~103、201~203)
 ■モハ720形(23、101~103)
 ■サハ721形(22、201~203)
 6両固定編成用の車両で、新千歳空港アクセスの快速「エアポート」用として1992年に製作されました。
 基本仕様は4次車と同一ですが、新たに中間車のモハ720形・サハ721形が製作されました。モハ720形は本次車のみに存在する形式で、4両のみ製作されました。
 車番は100・200番台を付番して区別しますが、4次車の編成に組み込まれたモハ720-23、モハ721-23、サハ721-22の中間車3両は続番で付番されました。
 2002年に全車が 130 km/h 対応改造を受け、車両番号は3000番台(原番+3000)に変更されました。
 6・7次車
 ■モハ721形(1001~1009)
 ■クハ721形(1001~1009、2001~2009)
 785系電車の制御システムを採用し、VVVFインバータ制御仕様で1993年から製作されました。主電動機を変更し、これに伴う出力増大によって、電動車は編成中に1両のみ組み込む1M方式となり、クモハ721形の設定はありません。このグループより番号は1000番台に区分されました。車体の基本構造は5次車までと同一ですが、客室窓が熱線吸収ガラスに変更されました。
 クハ721-2000+モハ721-1000+クハ721-1000の3両編成を基本単位とし、最高速度は130km/hとなっています。
 1001~1008 は2003年の編成変更で8次車を混成し6両固定編成となりましたが、1009編成については、731系電車のシステム試験に供されVVVFインバータの半導体素子や抑速装置を変更し、2003年の編成組替を受けずに1000番台として唯一残存する編成となっています。
8次車
 ■モハ721形(5001、5101~5103、5201~5203)
 ■サハ721形(4101~4104、4201~4204、5101~5103、5201~5203)
 快速「エアポート」編成変更のため、731系のVVVFインバータ制御システムを採用し、2003年に製作されたグループです。最高速度は 130 km/h で、モハ721形のパンタグラフは当初よりシングルアーム式を装備しています。
 モハ721形・サハ721形の中間車のみ製作され、先頭車は6・7次車の1000番台編成が組み替えて充当されました。 編成に組成する電動車の仕様で車両番号を区別し、1000番台の電動車を組成した編成は4000番台、本区分の電動車を組成した編成は5000番台が付番されています。従来車と窓配置が変わり、戸袋窓・非常窓が廃止され、側面窓は当初からポリカーボネート製となりました。
 一般座席車の室内はデッキを廃止し扉隣接の座席をロングシートに変更、エアカーテンおよびボタン開閉式の半自動ドアを装備するなど731系電車と同様の仕様となっています。
 3号車となるサハ721形(一般座席車)には、車椅子対応のため大型化したトイレを設置し「uシート」車はデッキ扉を片開き式自動ドアとして座席等の内装も大幅に変更されました。
 モハ721-5001 のみ編成組替で余剰となった先頭車と組成し3両編成とするために、制御装置や電動機および客室座席は他の8次車と同じ仕様ですが、片開き式のデッキ仕切扉が設けられ、客用扉の半自動機能を装備していません。

改 造

「uシート」設置
 快速「エアポート」に使用する編成を対象に、指定席「uシート」として、リクライニングシート化・座席間隔拡大・文字ニュース表示ディスプレイ取付などの改装を2000年から実施されました。
 当初は半室のみの設定で、6両固定編成の4号車(サハ721形)および、一部の3両編成に設置し、該当車室部の車体帯は赤+青とされましが、2003年の編成変更で「uシート」は1両の全室に拡大され、室内設備を一新した車両が投入されました。「エアポート」の運用から外れた編成では一般座席への復元が行われ、現在「uシート」は6両固定編成の4号車全車と、クハ721-1009に設置されています。
130 km/h 運転対応
 2002年3月からの快速「エアポート」130km/h運転に対応するため、運用する2~5次車についてブレーキ装置の強化や、前照灯をHIDに交換するなどの改造が行われました。改造車は車番に3000をプラスして、3000番台として区別しています。
制御系更新
 2010年からJR北海道苗穂工場において、初期の車両に対してVVVFインバータ制御への変更や主電動機など電装系の更新を主軸として、電力・保守コストの低減や車両の延命を図る改造工事が実施されました。

その他
 731系の使用開始後、731系の半自動扉を本系列側でも制御できるよう、客用扉を操作する車掌スイッチを半自動制御可能なものに変更されました。また、冬季の着雪軽減を目的に、8次車以外の全車を対象に785系と同形のシングルアーム式に交換が開始され、2006年に全車の換装を完了しています。その他運転室助士席側の前面窓・客室窓をポリカーボネート板に交換や、2007年からは種別・行先表示器の書体変更・英字併記化などの意匠変更などが順次行われています。

731系電車
731系電車

基本データ

●起動加速度 2.2km/h/s
●営業最高速度 120km/h
●減速度(常用最大) 4.4km/h/s
●設計最高速度 130km/h
●編 成 3両編成 (1M2T)
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー 川崎重工業・日立製作所

概 要

 札幌都市圏の近郊輸送に使用されていた711系電車の老朽取替とスピードアップを目的として1996年から製作している交流通勤形電車でJR北海道では初の本格的な通勤形車両です。川崎重工業と日立製作所の2社により、1999年までに3両編成19本が製作され、2006年に3両編成2本が一部仕様を変更して製作されました。731系電車では、オールロングシート化、デッキを廃止した客室構造やキハ201系気動車との総括制御機能など、従来の北海道仕様の車両にない数々の新機軸が盛り込まれ1996年12月24日に営業運転を開始しました。鉄道友の会より1997年(平成9年)度ローレル賞を受賞しています。
 車内はすべてロングシートで、客用扉隣接の座席は跳ね上げて壁面に格納できる構造である。乗降の円滑化のため、客室を仕切るデッキは廃止された代わりの寒冷対策として、客用扉の上と横から温風を送り込み冷気を遮断するエアカーテン、遠赤外線暖房装置、ボタン開閉式の半自動ドアが装備しています。その他、ドアチャイム・自動放送装置・車内案内情報装置を落成時から装備し、和式トイレをクハ731形100番台に設置しています。721系電車・キハ201系気動車と相互に連結することが可能で、キハ201系との併結では現在日本で唯一の気動車と電車の協調運転が行われます。
 2006年製作のG-120・G-121編成は、ユニバーサルデザインの一環として従来の和式トイレに代わって車椅子対応の大型洋式トイレを設置したため、後位客用扉が中央寄りに移された他、パンタグラフは当初からシングルアーム式を搭載し、主変換装置の仕様も変更されています。

   クハ731-100モハ731-100クハ731-200

 両端に制御車クハ731形を連結し、編成はクハ731-100+モハ731-100+クハ731-200の3両編成で構成されます。

運用の変遷・現況

 全車両を札幌運転所に配置し、函館本線(小樽~滝川) と千歳線・室蘭本線(白石~苫小牧)の札幌地区で、普通列車と区間快速「いしかりライナー」にて運転されています。3両編成が基本ですが、朝および夕方以降の混雑時間帯は731系同士のほか、721系やキハ201系と併結した6両編成として運用されています。

735系電車(使用開始前)
735系電車

基本データ

●起動加速度 2.2km/h/s
●営業最高速度 120km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 130km/h
●編 成 3両編成 (1M2T)
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー 日立製作所

概 要

 JR北海道がアルミニウム合金製車両をJR北海道で導入検討するに際し、使用事例のない極寒冷地での各種適性を確認するために、2010年に3両編成2本が試作された交流通勤形電車で2011年度冬季まで各種試験を主に運用されます。通勤形731系電車の各部仕様を基本として、今後予定される車両取替や電化区間拡大も考慮され、従来の721系電車や731系との併結運用を可能として汎用性を確保しつつ、バリアフリー対応のための低床構造・氷雪対策の強化など、設計時点で標準化しつつある仕様を各部に採用しています。
 731系と同様の室内配置を基本として、デッキは設けられず全車ともロングシートで座席端部に大型の袖仕切を設置し、エアカーテン、ボタン開閉式の半自動ドアも装備されています。731系に設定されていた出入口隣接部の跳上げ式収納座席は、廃止されて固定座席を増設しています。バリアフリー対応として、車椅子対応の大型トイレ・車椅子スペースも設置され、付帯設備としてドアチャイム・車内案内表示装置・ドアチャイム連動式のドア開閉表示灯を出入口上部に装備しています。
 721系・731系電車と併結運転が可能な仕様で、2編成6両まで制御可能ですが、キハ201系気動車との総括制御には対応していないため併結はできないようになっています。

785系電車
785系電車

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 130km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 5両編成 (3M2T)
●編成定員291名
●編成出力 2,440kW (3M2T)
●製造メーカー 川崎重工業・日立製作所

概 要

 JR北海道が、基幹系統の札幌~旭川間の輸送改善のために開発し1990年から運用している交流特急形車両でJR北海道発足後、初の特急形電車です。
 函館本線の札幌駅~旭川駅間は、10月に札幌~旭川間の高速道路が全通することから、競争力向上のため、所要時間の短縮と増発を検討課題とし、同区間の線路改良と並行して、営業最高速度130km/hを可能とする新型車両の開発がなされ、1990年5月にJRの在来線特急形電車で初のVVVFインバータ制御を採用した785系電車が完成しました。1991年にはグッドデザイン商品に選定されました。
 2002年には「uシート」車両を製作して編成を組み替え、快速「エアポート」として新千歳空港駅まで運用されるようになった他、2007年10月からはエル特急「すずらん」(札幌~室蘭)でも使用を開始するなど、JR北海道の都市間高速輸送の主力として重用されています。
 全車普通車のモノクラス編成とされ、グリーン車は設定されておらず、4両の基本編成と2両の付属編成を状況に応じて組み合わせて、4両編成・6両編成として使用されていました。
 座席はフリーストップ式のリクライニングシートで、化粧室はクハ784形・クハ785形・サハ784形に設けられ、洋式の共用トイレには折りたたみ式のベビーベッドも備え、あわせて男子用小便器も別に設置されています。客室内の出入台扉上部には指定席・自由席/禁煙・喫煙などの設備表記、デジタル表示の時計・号車番号表示を一体化した構成のLED式の情報案内表示器が設置されています。

運用の変遷・現況

 2010年4月1日時点で全37両が札幌運転所に配置され、4号車に「uシート」を設定した5両編成にてエル特急「すずらん」(札幌駅~室蘭駅/東室蘭駅~室蘭駅は普通列車)、エル特急「スーパーカムイ」(札幌駅~旭川駅)、快速「エアポート」(札幌駅~新千歳空港駅)、「ホームライナー」(小樽駅 → 札幌駅/札幌駅 → 手稲駅)で運用されています。

形式別概説

基本編成用
 1990年に日立製作所で製作された4両編成を組む車両で、各形式とも5両 (1~5) が製作されました。
■クモハ785形 クモハ785  運転台と主電動機を装備する制御電動車で、サハ784形とユニットを組みます。定員は60名となっています。
■サハ784形 サハ784  電力供給設備をもつ付随電源車で、電力を供給するための主変圧器・パンタグラフを装備しており、クモハ785形・モハ785形とユニットを組みます。車内には洋式トイレ・男子小用トイレが設けられ、その他自動販売機やカード式公衆電話が設置されています。定員は60名となっています。
■モハ785形 モハ785  主電動機を装備する中間電動車で、サハ784形とユニットを組みます。定員は68名となっています。
■クハ785形 クハ785  運転台をを装備した制御車で、車内に洋式トイレと男子小用トイレが設けられています。定員は56名となっています。
付属編成用
 1990年に川崎重工業で製作された、2両編成を組む車両で、各形式とも5両 (1~5) が製作されました。
■クモハ785形100番台
 運転台と主電動機を装備する制御電動車で、クハ784形とユニットを組む以外は基本番台と同一仕様で、定員も同じく60名となっています。
■クハ784形 クハ784  運転台と電力供給設備をもつ制御電源車で、 電力を供給するための主変圧器・パンタグラフを装備しており、クモハ785形100番台とユニットを組みます。車内には洋式トイレと男子用トイレが設けられ、定員は56名となっています。

500番台
 2002年に日立製作所で製作された5両編成への改変増強用の車両で、中間の電動車のみ製作され既存の各編成に1両ずつ組み込まれました。快速「エアポート」に使用するため室内設備は「uシート」されているほか、自動放送装置もこの時より設けられました。車体は客室窓を小型化してポリカーボネート製の保護板を設け、氷塊落下による破損の減少を図ったほか、床下機器はフルカバー化された。バリアフリー対応として、客用扉はドアチャイムを設置のうえ、車端部に車椅子利用スペース・車椅子対応トイレを設けています。
 制御機器は先に製作された731系のシステムが採用され、ブレーキ装置も回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなっています。
■モハ784形500番台
 4両編成への組込用として、主回路を構成する機器を1両にすべて搭載する1M方式の電動車で定員は49名となっています。パンタグラフは当初よりシングルアーム式を装備し、5両 (501~505) が製作されました。
■モハ785形500番台
 2両編成2組と組成して5両編成とするための車両で、パンタグラフ・主変圧器は搭載していないため電力は隣車のクハ784形から供給されます。定員は49名で、2両 (501、502) が製作されました。

改 造

降雪対応
 下側前照灯のHID交換や、車両前面および床下機器への着雪を抑制するため前面窓上部に導風器の取り付けやスカートに丸穴を開けるなど、降雪時の視界確保や折返し運転時の着雪除去作業軽減を目的に2001年に実施されました。
編成組替対応
 快速「エアポート」運用対応などの運転系統変更に対応するため2002年に、4両編成・2両編成をすべて5両編成に組み替えと、編成中間に組成される先頭車のスカートと着雪防止用風洞の撤去と乗務員室扉の閉鎖など改造が行われました。
リニューアル工事
 主に基本番台を対象に、内外装および機器類の更新工事を2005年4月から実施し、2007年6月までに全編成の施工を完了しました。
 車体は客用扉を500番台と同一の気密性の高いものに更新されドアチャイムも装備し、前面の愛称表示器はフルカラー表示対応のものに交換されて愛称表示パターンも変更されました。車内はデッキの仕切り扉をタッチセンサー式に変更した他、情報案内表示器の改造やトイレ・洗面所の改装が行われました。
SWAロゴの撤去
 2007年以降、苗穂工場検査入場時に各車車体側面に描かれていたSWA(Super White Arrow)マークの撤去が順次行われています。
津軽海峡線転用
 保留車となっていた付属編成用のNE-105編成が、789系0番台の津軽海峡線増結用編成に2010年春に苗穂工場で改造されました。クモハ785-105の後位出入台と運転台が撤去されてその部分の窓・乗務員扉と客用扉が埋められ、ユニットを組むクハ784-5も、前面貫通路の閉鎖や幕式ヘッドサインの装備など運転台周りを中心に改修が行われました。車番がそれぞれモハ785-303、クハ784-303に改番され同時に、両車とも車体カラーが789系0番台にあわせたものに変更されてます。

789系電車
789系電車
789系電車1000番台 789系電車1000番台快速エアポート

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 140km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 145km/h
●編 成 【基本番台】6両編成(3M3T)【1000番台】5両編成(2M3T)
●編成定員【基本番台】345名【1000番台】283名
●編成出力 ---
●製造メーカー 川崎重工業・東急車輛製造

概 要

 JR北海道が津軽海峡線経由で本州方面へ連絡する特急列車に使用するため、特に青函トンネル区間の走行条件を考慮して開発し、2002年から運用を開始した交流特急形電車です。
 2002年12月の東北新幹線の盛岡駅~八戸駅間延伸開業を受け、八戸駅~青森駅~函館駅間の輸送改善の施策として運転系統を見直し、特急列車として統一列車体系を再構築する方針が採られました。従来の781からの転用も検討されましたが、青函トンネル区間の特殊な条件について検討され、新形式の特急形車両を開発する方針が採られ本系列が完成しました。計画通り2002年12月1日に特急「スーパー白鳥」で営業運転を開始し、2005年には編成増強のため追加製作され、2006年3月18日からは、青森駅・弘前駅~八戸駅間を運転する特急「つがる」でも運用されています。
 外部塗色は前頭部と客用扉を含む部分が萌黄色で前頭部の塗装境界部にはマゼンタの帯、客用扉の塗装境界部には津軽海峡の地形図をデザインした帯が装飾されています。前頭部側面には『HEAT789( Hokkaido Express Advanced Train)』のロゴマークが描かれています。
 座席はフリーストップ式のリクライニングシートで、グリーン室の座席は横1+2列の3列配置とされ、表地は青の牛革張りとなっています。クハ789形・クロハ789形・モハ789形に洋式トイレと男子専用トイレを設置し、クロハ789形では車椅子対応の大型のものが設置されています。
1000番台での変更点
 2007年には道央圏で運用する781系電車の取替え用として、一部の仕様を変更した1000番台が製作され、同年10月1日から「スーパーカムイ」として主に新千歳空港駅~札幌駅~旭川駅の区間で785系電車と共用されています。
 車体は基本番台の構造を踏襲し、前頭部は貫通扉を廃止し乗務員用の側扉が設けられ灯火類の意匠も異なっているほか、客用扉は当初より片側2箇所とされて愛称表示器・行先表示器はともにフルカラー表示対応のLED式となっています。外部塗色は全体はシルバーメタリック塗装とされ、客室窓直下に濃淡バイオレット+萌黄色の帯を配し前頭部付近で下方に弧を描くデザインで、前頭部の正面中央には黒色の帯を縦位置に配しています。
 常時5両の固定編成とされているため、中間車の簡易運転台は装備していません。4号車のモハ789形には「uシート」が設定され、客室窓を座席と同間隔の小窓とされています。グリーン車の設定はなく、化粧室はオストメイト対応の多目的トイレが新たに設けられ、車内販売の準備室は設けられず自動販売機が設置されています。

運用の変遷・現況

基本番台
 34両全車を函館運輸所に配置し、特急「スーパー白鳥」(函館駅~八戸駅)、特急「つがる」(青森駅・弘前駅~八戸駅)の6号のみで運用されています。
 HE-100 編成と HE-200 編成で構成される6両編成が基本ですが、多客期には青森方にHE-300編成を連結して8両編成で運転されます。
1000番台
 35両全車を札幌運転所に配置し、特急「スーパーカムイ」(札幌駅~旭川駅)、快速「エアポート」(札幌駅~新千歳空港駅)、「ホームライナー」(札幌駅~手稲駅・小樽駅)で運用されています。従来より同区間で使用される785系と編成を統一し、4号車に「uシート」が設定された5両編成で使用されています。

形式別概説

基本番台
 2002年から川崎重工業・東急車輛製造で製作された、津軽海峡線を主とする本州~北海道間連絡用の車両で、当初は基本編成を5両として構成していましたが、輸送力増強のため2005年に追加製作が行われ、サハ789形を追加した6両編成とされました。

HE-100編成
 基本編成の函館・八戸方に組成される編成で、クロハ789形+モハ788形+サハ789形の3両で構成され、各形式とも2002年および2005年に5両(101~105)が製作されました。
■クロハ789形100番台
 運転台をもつ制御車で、函館・八戸方の先頭車となり室内はグリーン室(15席)と普通室(14席)の合造です。普通室の車端部座席には車いす対応設備をもち、車端部には車販準備室・車椅子対応と男子用トイレ、洗面所を備えています。本形式のみ、すべての座席にパソコン専用のコンセントが設けられています。
■モハ788形100番台
 中間電動車として、シングルアーム式パンタグラフと主変圧器を搭載する普通車(60席)です。青森方に簡易運転台と、函館・八戸方にフリースペースが設けられています。
■サハ789形100番台
 編成増強のため2005年に製作された付随車で、青森方に簡易運転台を設けられた普通車(68席)です。

HE-200編成
 基本編成の青森方に組成される編成で、モハ789形+モハ788形+クハ789形の3両で構成され、各形式とも、2002年に5両(201~205)が製作されました。
■モハ789形200番台
 中間電動車で、主変圧器を装備せずモハ788形200番台とユニットを組み電力供給されます。函館・八戸方に共用トイレとテレホンカード式の公衆電話、簡易運転台が設置された普通車(64席)です。
■モハ788形200番台
 中間電動車として、パンタグラフと主変圧器を搭載する普通車(68席)で、簡易運転台は装備されていません。
■クハ789形200番台
 運転台をもつ制御車で、青森側の先頭車となり共用および男子用トイレと洗面所が設けられた普通車(56席)です。

HE-300編成
 2005年に製作された増結用の編成で、モハ788形+クハ789形の2両で構成され、青森方に連結します。各形式とも、各2両(301、302)が製作されました。
■モハ788形300番台
 中間電動車で、パンタグラフと自然冷却式の主変圧器を搭載し、函館・八戸方に簡易運転台が設けられた普通車(68席)です。
■クハ789形300番台
 運転台をもつ制御車で、青森側の先頭車となり共用および男子用トイレと洗面所が設けられた普通車(56席)です。

1000番台
 1978年から「ライラック」などで使用されてきた781系電車を取り替えることを目的に2007年に製作した区分です。
■クハ789形
 運転台をもつ制御車で、共用および男子トイレと洗面所を備えています。1001~は旭川方に組成される普通車(52席)で、2001~は札幌方に組成される車椅子対応座席が2席設置された普通車(50席)となっています。
■モハ789形
 主電動機を搭載する中間電動車で、パンタグラフや主変圧器を装備せずサハ788形とユニットを組み電力供給されます。1001~は自動販売機が設置された普通車(64席)で、2001~は荷物置き場、車椅子対応座席、多目的トイレ(オストメイト・車椅子対応)、車掌室が設置された「uシート」(49席)車両となっています。
■サハ788形
 電力供給設備を搭載する付随電源車で、パンタグラフ・主変圧器を装備し、ユニットを組むモハ789形に電力を供給します。普通車(68席)で、2009年9月30日までテレホンカード式公衆電話が設置されていました。