こ【鉄】ちゃん

我が青春の集大成ともいえるJR北海道に遥か彼方、四国から熱きオマージュを捧げ、基本的なデータをまとめてみました。

気動車1

キハ40系気動車
キハ40系気動車 キハ40系気動車札沼線 キハ40系気動車日高本線 キハ40系気動車急行仕様

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 ---
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 国鉄が製造した一般・近郊形気動車のグループで、制式の系列呼称ではなく同一の設計思想により製造された気動車形式の総称したものです。1977年から1982年にかけて計888両が製造・投入されて、2010年現在でもJR旅客鉄道各社に多数が在籍し、主に非電化地区の普通列車用として広く用いられています。
 客用の片引き戸を車端部2か所に設置した両運転台のキハ40形、片運転台キハ48形と、近郊向けに両引き戸を車体中央に寄せて2ヶ所に設置した片運転台のキハ47形に大別され、トイレの有無や細かな仕様の違いによって番台区分されています。民営化後は、さらに各社毎に使用線区の事情に応じた改造がきめ細かに実施され、派生形式や区分番台が増えました。なお、近年では事故や災害、地方路線の運用見直しや、新型気動車への置き換えにより、廃車や保留車化が進んでいます。
 キハ40形、キハ48形は車体両端2ヶ所に1m幅の片開き扉、キハ47形はやや車体中央寄り2ヶ所に1.3m幅の両開き扉を設けられており、寒地・酷寒地形のキハ40形・キハ48形は、寒冷時の保温のためにいずれも客室と出入り台の間に仕切り扉を設けたデッキ付きです。
 JR北海道には、酷寒地形であるキハ40形100番台150両とキハ48形7両(300番台4両・1300番台3両)の計157両が承継され、キハ47形は国鉄時代から配置の事例はありません。ワンマン運転対応、エンジン換装、冷房装置搭載など線区の事情に応じた改造が行われており、それに伴う改番が行われた結果、引継時の番号を留めているのはキハ48形300番台の3両に過ぎません。

運用の変遷・現況

 電化区間の総延長割合が低く、輸送量の少ない区間が多数存在する北海道では、多くの区間で本系列を普通列車の主力として使用されており、ワンマン運転が可能で2両以下の短編成に対応できる電車形式を保有していないため、電化の有無にかかわらず気動車を運用させることで、運用コストの最適化が図られています。他形式を常用する区間でも臨時の運用に利用する例や、電化区間でありながら恒常的に使用される江差線・函館本線・室蘭本線のような事例もあります。
 ■江差線
 ■函館本線
  札幌圏での運用は苗穂運転所への車両回送を兼ねたごく少数。
 ■札沼線
 ■室蘭本線
 ■千歳線(千歳~南千歳)
 ■石勝線(南千歳~新夕張~夕張)
 ■日高本線
 ■富良野線(旭川~美瑛)
 ■宗谷本線(旭川~音威子府)
 ■石北本線
 ■釧網本線(網走~緑・川湯温泉~東釧路)
 ■根室本線(滝川~釧路~東釧路)

形式別概説

キハ40形
 両運転台車で車端部2か所に片開き扉が装備された本系列の主軸で、新製時は全車がトイレ付きでした。
100番台

  キハ40 100番台酷寒冷地仕様首都圏色 キハ40 100番台酷寒冷地仕様北海道色

 北海道向けの酷寒地向として1977年上期より製造されキハ40系では最初に就役したグループです、1982年までに150両 (101~250) が製造されました。
 車体はデッキ付きで、1段上昇式の二重窓、トイレを装備しており、1977年製の16両 (101~116) のみ、4人掛けクロスシート12組、客室の小窓の配置が両端、室内の化粧板が濃い肌色などの特徴を持っています。1978年以降に製造された117~250は設計が座席配置と窓割り、スカート形状などがキハ40形2000番台一次形車と同様に変更され、室内の化粧板はクリーム色になりました。
 また、17両(175・178~180・186~188・207~210・222・226~228・249・250)が都市近郊輸送に対応するため、1991~1992年に座席を2+1人掛けに改造されました。
700番台
 1990年から1994年にかけてキハ40形100番台にワンマン運転対応改造が行われた番台で、キハ400形に改造された9両を除いた141両全車が改造されました。JR移行後は、地域色を除き外板色が白地に萌黄色と青の帯に統一されていましたが、2010年4月に、釧路運輸車両所所属の777が国鉄色(朱色5号)に変更されました。
 番号は原番号との関連性はなく、竣工順に付番されていますが、1次車 (101~116) が種車の車両だけは元番号に725を足した連番になっています。また、座席が2+1人掛けに改造された17両は802~805・813~825となっています。
 特殊な改造車としては、764については、1999年に映画『鉄道員(ぽっぽや)』の撮影用に作品に登場するキハ12形に似せて改装を施されました。映画撮影の終了後も「ぽっぽや号」として観光目的の臨時列車にも充当されましたが、老朽化が進んでいたために2005年6月24日に廃車されました。
300番台
 1996年に学園都市線(札沼線)の列車増発のため、キハ40形700番台(702・748・773・782)を改造したグループで、4両が改造された。
 混雑緩和対策として客室とデッキの間の仕切り壁が撤去され、シートが2+1人掛けとなっています、客室とデッキの間の仕切り壁を撤去したことで、ボタン開閉式の半自動ドアを装備し車内の保温対策としています。301~304全車が苗穂運転所に所属しており、その他の主に学園都市線(札沼線)の運用に就く車両と同様に車体地色がライトグレーとなっています。
400番台
 1996年に札沼線石狩当別~新十津川間のワンマン化と老朽化したキハ53形500番台の置き換えのため、キハ40形700番台2両(769・770)を改造したもので、401・402が存在しています。冬季の列車遅延防止のためこれまでの改造車よりもさらに強力な機関に交換し、変速機や台車も出力に見合ったものに交換されており、冷房装置は搭載しておらず、外観上は客用扉を萌黄色として区別しています。
350番台
 日高本線で使用されていたキハ130形の塩害による老朽化による置き換えのため、1998年~1999年にかけてキハ40形700番台10両(710・713・717~719・728・731・743・753・794)を改造し、351~360が存在しています。
 常のキハ40形では足が遅く、キハ130形時代のダイヤを維持することができないため、機関を換装して出力を増強し、落ち葉などによる空転対策のため砂撒き装置を台車に装備するなどの改造が行われています。学園都市線用の300番台とは異なり車内の改装は行われず、冷房装置も搭載されていませんが、外板塗装は白をベースに運転席と客室窓付近の鮮やかなブルーと、ピンクの帯が特徴となっています。
キハ40形330番台・キハ48形1330番台
 2000年の宗谷本線急行の特急格上げに伴って余剰となったキハ400形・キハ480形を学園都市線に転用するために再改造されたグループで、通勤・通学用への転用に伴い座席は711系電車の廃車発生品を使用しすべてロングシートとなっています。また、客室・デッキ間の仕切り壁や引戸が撤去され、かわりにボタン開閉式の半自動ドアを装備しています。300番台と同様に、この両番台も車体地色がライトグレーとなっています。キハ400-143~148はキハ40 331~336に、キハ480-1301~1303はキハ48 1331~1333にそれぞれ車番変更されています。
1700番台
 キハ40形700番台へ、今後の長期使用を見越して延命化改造を実施したグループで、全車対してに2003年度から11年程度をかけて施行を計画し、2010年4月現在で延べ69両が落成しており、苗穂運転所に3両、苫小牧運転所に18両、釧路運輸車両所に21両、函館運輸所に18両、旭川運転所に8両が配置されています。改造車の番号は原番号に1000が加えられ、駆動用エンジンの交換及びそれに伴う変速機や機器が換装された他、客室の床材の張替え、扇風機のクールファンへの交換やワンマン運転用機器が更新されました。
 2010年4月に、釧路運輸車両所所属の1749と1758が国鉄色(朱色5号)に変更し、運転されています。

キハ48形
 片運転台車でで車端部2か所に片開き扉が装備された形式で、運転台と反対側の車端デッキ寄りに設置されるトイレの有無に番台区分が異なっています。300番台および1300番台は1982年にごく少数が製造された北海道向け酷寒地仕様車です。
1300・1300番台

  キハ48 300番台酷寒冷地仕様首都圏色 キハ48 300番台酷寒冷地仕様北海道色
  キハ48 1300番台酷寒冷地仕様首都圏色 キハ48 1300番台酷寒冷地仕様北海道色

 1982年にごく少数が製造されたキハ40形100番台車同様の北海道向け酷寒地仕様車で、デッキ付き、1段上昇式二重窓で、300番台はトイレ付き、1300番台はトイレとなっています。輸送量が限られた北海道の路線では2両編成以上が必須の片運転台車は運用しづらいために、300番台車は4両 (301~304)、1300番台車は3両 (1301~1303) の製造に留まりました。

キハ400形
 キハ40形100番台、キハ48形300番台・1300番台を急行列車用に改造し、新形式に改められた形式です。
キハ400形・キハ480形
 宗谷本線の高速化に向け急行「宗谷」「天北」「利尻」に使用されていた14系客車を置き換えるため、1988年にキハ40形100番台9両、キハ48形300番台1両、1300番台3両の計13両を改造したグループです。エンジンと変速機を交換して加速力の向上を図り、ダイヤ密度の高い函館本線での高速運転や宗谷本線の勾配区間に備えられました。この改造によりキハ40 141~149はキハ400-141~149に、キハ48 304・1301~1303はキハ480-304・1301~1303へそれぞれ改番されました。  車内には洗面所が新設され、座席もキハ183系500番台と同等のリクライニングシートへの交換が施工されました。キハ480形には飲料水の自動販売機を設置し、キハ480形300番台のトイレは改造時に撤去しています。13両と予備車が少ないため、多客期などは他系式から増結用車両が充当されていました。
 1997年には、キハ400形3両がお座敷気動車に再改造し500番台に改番されましたが、この改造により宗谷本線急行用車両が不足となるため、補充としてキハ182形(36~38)3両がキハ400系併結用に改造し転用されました。塗色はキハ400系と同一の濃淡グレーと赤帯に塗りかえられ、急行「宗谷」「サロベツ」「利尻」の指定席車として使用されましたが、2000年3月の宗谷本線高速化完成による急行の特急格上げで用途がなくなり、2002年度に全車が廃車されました。
 残った車両も2000年の宗谷本線高速化完成に伴う急行の特急格上げに伴って運用を外れて、学園都市線(札沼線)用のキハ40形330番台・キハ48形1330番台に再改造されましたが、キハ480-304のみは転用されず苗穂工場に留置され2006年10月6日付で除籍となりました。
キハ400形500番台
 老朽化したお座敷気動車(キロ29形・キロ59形)を置き換えるために、1997年から1998年にかけてキハ400形141・142・149の3両をお座敷車に改造したもので車番は501~503となっています。同時期に改造されたお座敷車の183系6000番台と異なり、一般車と併結して運用することが可能で、客室を可能な限り広く取るため前位側のデッキを撤去し、室内は床面をかさ上げしてカーペット敷きで深さ30cmの掘りゴタツ構造で、塗装も深い赤と黒のブロックパターンに塗装変更されました。。2003年度には冷房装置の交換などの更新改造が実施されました。

キハ54形気動車
キハ54形気動車

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 【温暖地型】95km/h【酷寒地型】95km/h→110km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員【温暖地型】68(席)+ 80(立)= 148名【酷寒地型】70(席)+ 30(立)= 100名
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 国鉄が1987年の国鉄分割民営化に先立ち、経営困難が予想された北海道・四国・九州の経営基盤整備を目的として、民営化直前の1986年から製作した一般形気動車です。
 全長 21m 級の両運転台式一般形気動車で、北海道向けの酷寒地仕様、四国向けの温暖地仕様の2種が計画され、国鉄最終年度の1986年に新潟鐵工所(現・新潟トランシス)と富士重工業の2社で合計41両が製作されました。耐候性に優れ、塗装工程省略などのメンテナンスフリーや軽量化目的のほか、製造コストが下がってきていたステンレス製軽量車体の採用、勾配や積雪に耐える性能を得るためのエンジン2基搭載など、地域の実情に応じた装備が施されています。一方、在来車の廃車発生部品の再利用やバス用の汎用部品を用いるなどの製作コストの適正化に留意されています。
 構造簡素化のため幅広車体とはされずに車体裾は絞りのない直線形状で、側面窓上下には外板歪みを防ぐビード加工がなされています。運転台をワンマン運転時の乗降監視を容易にするため低運転台とし、車体の前後に設ける両運転台式で、客用扉は車体両端に片側2扉を配置しています。四国向けの温暖地型(キハ54 1~)と北海道向けの酷寒地型(キハ54 501~)の2種が製作され、各部の仕様・形態には相応の差異があります。

運用の変遷・現況

北海道仕様車
 製造当初は苗穂運転所や函館運転所にも配置されましたが、現在は気象条件が厳しく、長距離運用の多い道北・道東で主に運用され、釧路運輸車両所・花咲線運輸営業所・旭川運転所・宗谷北線運輸営業所(名寄市)に配置されています。
旭川運転所配置車
■宗谷本線
■留萌本線
■函館本線(旭川~滝川)
■石北本線
宗谷北線運輸営業所配置車
■宗谷本線(全区間)
釧路運輸車両所・花咲線運輸営業所配置車
■釧網本線
■根室本線(音別~釧路・花咲線[釧路~根室])
■石北本線(金華~網走)

形式別概説

北海道仕様車   キハ54 500番台*  酷寒地で使用する区分として、1986年に29両 (501~529) が製作されました。過酷な気象条件の中での運用に備え、随所に耐雪・凍結対策が施され、排雪走行や動物との衝突などを考慮し運転台下にはスカートが装備されています。
 室内は出入台と客室を仕切るデッキ仕切扉を設けられていますが、仕切り上半をガラス張りとしてワンマン運転時の運転士の車内監視を助けています。製作当初の座席配置は、バケット式ロングシートとしたセミクロスシートとし、トイレを設置して長距離乗車に適応させています。冷房装置は装備せず扇風機のみを室内に設置しており、暖房装置は機関冷却水を利用した強力な仕様となっています。

急行仕様 (527~529)   キハ54 500番台急行仕様  旭川~稚内間の宗谷本線急行「礼文」専用車として3両製作されました。0系新幹線電車の廃車発生品である転換クロスシートを当初から装備しましたが、窓割りが一般仕様車と同じなので、窓と座席が合っておらず窓側でありながら景色を見ることができない席もあります。識別のため、窓上に赤帯が追加されています。「礼文」での運用を主として、間合いで快速・普通列車運用にも充当されたりもしましたが、2000年3月ダイヤ改正で「礼文」が廃止されたため、以後は他のキハ54形500番台同様に運用されています。
改 造
■鹿笛追設
 警笛は在来車と同様のタイフォンを装備していましたが、エゾシカなど野生動物との衝突事故が多発する路線事情に対応するために、「鹿笛」と呼ばれる甲高い音色のホイッスルに交換されています。
■座席交換
 観光客や長距離客に配慮して、キハ183系からの発生品である簡易リクライニングシートに座席を交換されました。回転機構をもたない集団見合型座席配置となり、対面部分は間隔を広く取ってテーブルが設置されています。釧路運輸車両所所属の花咲線用の車両はさらに再交換を実施して、海峡線用のオハ50系から転用した転換クロスシートを装備しています。
 これら座席交換のなされた車両は、いずれも窓と座席の間隔は一致していません。
■機器更新
 駆動系の主要機器について、流用部品(廃車発生品)を更新する工事を2003年~2005年に実施し、施工後は自重が約 1t 軽くなり、最高速度は 110km/h に引き上げられましたが、使用線区の現状を検討し最高速度 95km/h のまま運用されています。

キハ141系気動車
キハ141系気動車

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 ---
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 JR北海道に所属する一般形気動車で、制式の系列呼称ではなくキハ141形、キハ142形、キハ143形およびキサハ144形を総称したものです。札幌市周辺の人口増加により、沿線の都市化が急速に進んだ札沼線(学園都市線)の輸送力増強を目的として、電車や気動車への置き換えで余剰となっていた50系客車(オハフ51形)を改造して1990年から投入されました。客車の気動車化改造は、根本的な強度構造の違いや車体重量の違いから国鉄・私鉄ともにほとんど成功例がありませんが、本系列は一定以上の成果を引き出し、オハフ51形の2/3が本系列に改造され4形式で合計44両が製作されました。客車から気動車への改造車としては日本最多で、客車(Passenger Car)改造のディーゼル動車(Diesel Car)であることからPDCとも呼ばれています。
 他系列と同様に、車体にコーポレートカラーの萌黄色の帯が描かれていますが、、外板の地色は白ではなくライトグレーとなっています。車内設備は客車時代のセミクロスシートが残されていますが、輸送状況を考慮し、クロスシート部分を2列+1列の3列化にし、ロングシート部分の増設が行われています。客室窓については客車時代のまま1段上昇式2重窓をそのまま用いられています。

運用の変遷・現況

 全車が苗穂運転所に配置されており、札沼線の普通列車として札幌~北海道医療大学間で本系列単独で運用されるほか、キハ40形300番台・330番台やキハ48形300番台・1330番台と連結して運用されることもあります。また、キハ141形・キハ142形は冷房がないため、基本的に夏季は朝と夕方以降のみの運用となっています。「バーベキューカー」ナハ29000形を中間に連結した運用など団体臨時列車に使用されることも多く、中間にマヤ34形などの事業用客車を連結した事業用列車として道内各地で運転されることもあります。

形式別概説

キハ141形   キハ141  1990年から14両(1~14)が製作されました。通常はキハ142形の同一番号の車両とペアを組み、運転台は札沼線での札幌方を向いています。運転台側の客用扉直後にトイレが設置されていますが、冷房装置は搭載されていません。最高速度は95km/hとなっています。
 キハ141-1は先行試作車で、1992年に苗穂工場で量産化改造が行われましたが、2005年3月に廃車され、2009年現在では13両が在籍しています。
キハ142形   キハ142  1990年から1994年にかけて15両(1~14、201)が製作されました。通常はキハ141形の同一番号の車両とペアを組み、運転台は石狩当別方を向いています。トイレは改造時に撤去されて採光窓は埋められています。冷房装置は搭載されていません。最高速度は95km/hとなっています。114と201には、キハ143形・キサハ144との編成組成時に両形式のボタン開閉式半自動ドアを制御する機能が付加されています。
 キハ142-1は先行試作車で、1992年に苗穂工場で量産化改造が行われましたが、2005年3月に廃車され、2009年現在では14両が在籍しています。
キハ143形   キハ143 100番台キハ143 500番台  キハ141形・キハ142形の増備にあたり、キハ150形の駆動システムを用いて性能強化した形式で、1994年から1995年にかけて11両(101~104、151~157)が製作されました。100番台はトイレなし、150番台はトイレ設置の車両で、最高速度は110km/hとなっています。キハ141形・キハ142形とは異なり、ラッシュ対策としてデッキ仕切り部のドアを撤去してあるため、冬期の保温対策のためボタン開閉式の半自動ドアを装備しており、1995年の改造当初から冷房が設置されていた156・157以外の車両は当初は非冷房でしたが、1995年から1996年にかけて冷房設置改造が行われ全車両が冷房車となりました。
 キサハ144形との3両ユニットの場合、基本的に札幌方に150番台、石狩当別方に100番台を連結されますが、キハ143-157のみは他の150番台と逆向きの石狩当別方を向いています。

キサハ144形   キサハ144  1994年に4両(101~103、151)が製作された中間付随車で。動力を持たないため当初はキハ141形・キハ142形の編成に組み込まれていましたが、現在では基本的にキハ143形とセットで運用されています。
 改造当初は1両にトイレが残されており、150番台(151)と付番されていましたが、1995年にトイレが撤去され100番台に統合されました。当初は非冷房でしたが、2001年に冷房が搭載されました。

キハ150形気動車
キハ150形気動車 キハ150形気動車富良野線 キハ150形気動車100番台

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 110km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員【0番台】49(席)+68(立)=117名【100番台】49(席)+66(立)=115名
●編成出力 450ps/2,000rpm
●製造メーカー 富士重工業

概 要

 JR北海道が勾配多雪区間での単行運転を考慮して開発し1993年から製作した高出力機関装備の両運転台式気動車です。JR北海道では地域輸送用の車両として、国鉄時代に製造された気動車を大量に継承しましたが、老朽化による取替えと冬季積雪時の運行において単独運転が可能な車両の必要性から、これらを解決するために高出力機関を搭載して動力性能が向上した本形式が開発されました。北海道の一般形気動車で初めて冷房装置を搭載するなど接客設備の改善もされ、ワンマン運転設備の搭載、バス用汎用部品の採用など運用コストの適正化も考慮されました。
 本形式は1995年までに27両が富士重工業で製作され、旭川・苗穂・苫小牧の各所に配置し地域輸送に使用されています。座席は客用扉の隣接部をロングシートとしたセミクロスシートで、クロスシート部は1+2列の3列配置です。従来の北海道向け車両で設けてあった客室と出入台との間の仕切り扉を本形式ではこれに代わる寒冷対策として、座席の客用扉隣接部に樹脂製の袖仕切りを設け、客用扉は押ボタン式の半自動ドアとして開放時間を最小限にできるようにしており、基本番台では冷房装置を搭載しています。循環式汚物処理装置付のトイレが出入口付近に設けられ、隣接して車椅子スペースを備えています。また、運賃箱などワンマン運転用の各種設備も当初より装備しています。

運用の変遷・現況

基本番台
 1~10の10両が旭川運転所に、11~17の7両が苗穂運転所に配置され、それぞれ以下の区間で使用されています。
旭川所属車
 ■富良野線(旭川~美瑛~富良野)
 ■根室本線(富良野~帯広)【快速「狩勝」】
 ■留萌本線(深川~留萌~増毛)

苗穂所属車
 ■函館本線(長万部~札幌)
100番台
 全車が苫小牧運転所に配置され、以下の区間で使用されている。
 ■室蘭本線(長万部~苫小牧、室蘭~東室蘭)
 ■函館本線(長万部~倶知安~小樽)
 冷房装置を備えていない100番台の函館本線での使用は冬季のみで、積雪時の運転において線路上の排雪を容易にし、勾配も多い同区間での定時運行を確保するため通常使用するキハ40形の代替として使用されています。

形式別概説

  キハ150

基本番台 (1~17)
 1993年に10両、1995年に7両が製作されました。客室窓は大型の固定窓で、冷房装置が搭載されています。定員は117名で、側面帯と客用扉の配色は配置箇所によって異なり、旭川運転所の車両はラベンダーをイメージしたライトパープル、苗穂運転所の車両はスカイブルーと萌黄色となっています。
100番台 (101~110)
 1993年に10両が製作されました。客室窓が小窓に変更され、上半分を内傾式で開閉可能な機構とし、車体構造の設計を変更し外壁厚さを増したため定員は115名と減少しています。冷房装置は装備されず、客室天井にはクールファンが設けられています。
 ※空気バネ圧制御式車体傾斜装置の供試車として本形式が使用され1996年頃から試験を行い、後のキハ201系で実用化されました。

キハ201系気動車
キハ201系気動車

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 130km/h
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 3両固定
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 キハ201-100キハ201-200キハ201-300

 JR北海道が近郊形電車と同等の性能をもち、電車と総括制御が可能な一般形気動車として731系電車と同時期に製作され、1997年3月22日に営業運転を開始しました。本系列は小樽以西からの札幌駅直通列車の改善を図り、函館本線小樽~札幌間の輸送改善計画のため開発されたもので、非電化区間と電化区間の直通運用を、電車と同等のダイヤで設定できる動力性能を有しています。
 運転台付きのキハ201形100番台・300番台、中間車のキハ201形200番台で3両の固定編成を組み、トイレは中間車の200番台に設置されています。車内はすべてロングシートで、客用扉隣接の座席は跳ね上げて壁面に格納できる構造とされ、乗降の円滑化を考慮しデッキが廃止され、これに代わる寒冷対策として客用扉部のエアカーテン、遠赤外線暖房装置、ボタン開閉式の半自動ドアを装備するなど731系電車と同様となっています。3両編成4本の12両が製作されましたが、高性能ゆえの製造コストの高さなどもあり、その後の増備はされていません。
 また、のちに登場したキハ261系特急形気動車は本系列を基本に設計されました。

運用の変遷・現況

 苗穂運転所に全12両が配置されており、3両編成単独または2本の編成を連結した6両編成で使用されています。
 小樽以西での運用は、導入当初より朝夕通勤時間帯における上り1本(札幌→倶知安)、下り2本(蘭越・倶知安→札幌)にとどめられており、実際には札沼線の札幌~北海道医療大学間において日中を中心に多く運用されているほか、函館本線手稲~江別間での運用も存在しています。一部、あいの里教育大・北海道医療大学~江別間の普通列車として札沼線から函館本線への直通運転が行われているほか、普通列車以外にも快速「ニセコライナー」と、一部の区間快速いしかりライナーにも運用されています。
 また、ワンマン運転に対応していないため、他の気動車列車がワンマン運転を実施する函館本線蘭越・倶知安~小樽駅間においても車掌が乗務しています。

キハ160形気動車
キハ160形気動車 キハ160形気動車ハイブリッド試験車

基本データ

●起動加速度 ---
●営業最高速度 ---
●減速度(常用最大) ---
●設計最高速度 ---
●編 成 ---
●編成定員---
●編成出力 ---
●製造メーカー ---

概 要

 JR北海道が保有する一般形気動車で、1996年1月に発生した踏切事故により廃車となったキハ130形(キハ130-5)の代替として、1997年に新潟鐵工所にてキハ160-1の1両のみ製造されました。その経緯により、新製気動車としては珍しい1形式(1系列・1グループ)で1両製造・在籍という特殊な存在となりました
 キハ130形の弱点であった耐寒構造が大幅に強化されて北海道での運用に適応した仕様となっていますが、代替車という設計思考から、キハ130形と同様にワンマン運転に対応したセミクロスシート・トイレ付両運転台車となっています。踏切事故に備えた強化によって運転席窓の下部が前に張り出した造りが外観的特徴で、内装は先行して製造された大型車のキハ150形をモデルとしており、運用区間の気候条件から冷房装置は搭載されませんでした。また、同時期に開発された特急形気動車と共通した試行的要素を盛り込んでいることも特徴となっています。
 2007年に、モータ・アシスト式ハイブリッドを搭載した試験車両「ITT (Innovative Technology Train) 」に改造され、10月23日に札幌市内の苗穂工場で報道公開されました。ディーゼルエンジンと発電機兼用の電動機を組み合わせて走行するのが特徴で、45km/h未満は電動機で走行し45km/h以上ではディーゼルエンジンも使用となっており、既存の気動車への改造取り付けも可能となっています。
 当初キハ130形と同様の黄緑をベースに青にて塗装されていましたが、日高本線仕様車のキハ40形350番台と同様の青をベースにピンク帯に変更され、さらにITT化改造時にピンクの帯が若草色になり側面に「ITT」表記のカッティングシートが貼付されました。

運用の変遷・現況

 雑誌などで保留車として現在までかなりの期間記載されていますが、実際は日常的にキハ40形350番台とともに日高本線全線で運用されており、名目上の保留車となっている珍しい例となりました。