私は糖尿病です【I have diabetes...】
私は糖尿病患者です。管理人が自分の戒め、そして備忘録としてここに糖尿病についての情報・知識・思っていることを綴っています。深い意味はありません。ただ、患者がどのように思い、どのように生活しているかを知って欲しい…。そしてあなたの身近な大切な方の支えになってあげてください。糖尿病の合併症
血糖値をコントロールせずに、長い間不摂生を重ねていると、全身にわたる合併症を引き起こします。特に気をつけなければならない合併症は三大合併症といわれる、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害です。糖尿病性網膜症は、中途失明原因の第1位、糖尿病性腎症は血液透析導入原因の第1位を占めています。
三大合併症
●糖尿病性網膜症
●糖尿病性腎症
●糖尿病性神経障害
緊急を要する合併症
迅速な治療を行わない時は致命的となります。
●糖尿病性ケトアシドーシス(インスリン非依存型糖尿病には少ない)
●低血糖性昏睡
●糖尿病性高血糖性高浸透圧性昏睡(非ケトン性高浸透圧性昏睡)
その他慢性的な合併症
●糖尿病性網膜症以外の目の合併症(糖尿病性白内障、緑内障)
●糖尿病性足疾患
●高脂血症、高血圧、粥状硬化症、冠動脈疾患
そのほか妊娠型糖尿病患者の方は、新生児の低血糖または疾患、新生児死亡の発生増加、分娩後での糖尿病の発症などのリスクもあります。
ただし、血糖値のコントロールをすれば、合併症の発症や進行を抑えることができます。そのコントロールの目安はHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を6.5%未満にすることです。
また、これらの合併症の早期発見・早期治療のためには、定期的な検診を受けるように心がけましょう。
糖尿病性網膜症
定 義 | 糖尿病を治療しないで長期間放置していると目の網膜に発生する進行性病変です。失明に至ることもあります。) |
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原因と危険因子 | 糖尿病性網膜症は失明の原因のひとつです。インシュリン非依存型糖尿病もインシュリン依存型糖尿病も、いずれも糖尿病性網膜症になる危険があります。網膜症が発生する危険性とその重度は、糖尿病になってからの年月が長ければ長いほど高く、また発病初期の手当てが悪いと症状は重くなる傾向にあります。糖尿病を30年間患っている人は、ほとんど網膜に障害の徴候がみられます。黒人や女性で糖尿病の人は、網膜症になる危険性が高くなっています。出血や腫脹、網膜に体液が漏れだし、目の中に新しい血管が作られると失明状態になります。 |
予 防 | 糖尿病をコントロールし、高血圧をコントロールすることで網膜症の進行を抑えることができます。 |
症 状 | ●視力減退 ●色覚の減退 |
徴 候 | ●眼科検査の異常 |
治 療 | 治療の目的は、糖尿病とそれに伴う高血圧をコントロールすることです。治療によってすでにある症状をもとの状態に戻すことはできませんが、病気の進行を遅くすることはできます。出血や損傷した組識を修復するにはレザー療法が行われることがあります。硝子体に出血がおこると、網膜剥離の有無にかかわらず、外科手術(硝子体手術)が行われます。 |
予後と転帰 | 糖尿病と高血圧のコントロールがよければ、より良い経過が期待できます。通常、糖尿病になって10年で視力障害があらわれ、30年以上を過ぎるとほとんどが視力障害を抱えることになります。糖尿病性網膜症で失明することがあります。 |
合併症 | ●緑内障 ●網膜剥離 ●失明 |
主治医 | 糖尿病と診断され、それ以後眼科の受診をしていない人は、医師に相談してください。 |
その他 | 糖尿病の人は、年に一回、眼科で眼底検査を受けるよう指示されます。 |
糖尿病性腎症・糖尿病性腎硬化症
定 義 | タンパク尿と腎機能の進行性の減少を特徴とする、糖尿病の合併症。 |
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原因と危険因子 | コントロール不良の糖尿病は、体内の多くの組織に損傷を与えます。糖尿病による腎障害には、腎臓の内部構造、特に糸球体(腎臓のろ過膜)の硬化があります。キンメルスティール-ウイルソン病は糖尿病性腎症の一形態で、糸球体の硬化病変に硝子質(結合組織の一種)の結節様蓄積を伴うタイプです。 糸球体は血液がろ過されて尿が形成される部位です。選択性の膜として働き、物質によって尿中に排出するか体内に残すかを選択できます。糖尿病性腎症の進行にともない、破壊される糸球体の数が増え、腎機能が低下します。ろ過は遅くなり、蛋白質(通常は体内に残されます)が尿中に漏れだします。蛋白尿は他の症状が出現するまで5年から10年の間つづくことがあります。糖尿病性腎症にはしばしば高血圧が伴います。 糖尿病性腎症は最終的にネフローゼ症候群(尿中タンパクの過剰な損失を特徴とする症候群)と慢性腎不全を起こします。疾患は進行を続け、慢性腎不全または重篤な高血圧が現れてから2年ないし6年で末期腎不全に移行します。 糖尿病性腎症を起こすメカニズムはわかっていません。糸球体の組織や基底膜に、ブドウ糖分子が正常な取り込まれをするためである可能性があります。 この疾患は10,000人に4人の割合で起こります。1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)の人の40%は、いずれ末期腎不全をに陥ります。1型糖尿病の結果として糖尿病性腎症を発症する人の80%は、糖尿病を18年以上患った後におこるという統計があります。2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)の人の約20%が糖尿病性腎症を起こしますが、その経過は1型糖尿病の場合に比べてよりさまざまです。危険性は血糖値のコントロールのよしあしに比例します。ブドウ糖のレベルが正しくコントロールされていないと、リスクが高まります。 糖尿病性腎症はふつう高血圧・網膜症・血管の変性をおこしますが、初期には気づかないことがあります。腎症はネフローゼ症候群または慢性腎不全が出現する何年も前から存在し、しばしば尿検査の時に尿中タンパクによって発見されます。 |
予 防 | 糖尿病のある人では、血糖値を厳密にコントロールすることが必要です。血圧のコントロールは血糖値よりもさらに重要です。 |
症 状 | ●顔、四肢、その他の部位のむくみ ●尿が泡立つ ●体重増加(水分のうっ滞による) ●体重減少(体組織の実質的な減少による) ●足のむくみ ●食欲低下 ●悪心、嘔吐 ●全身の疾病感 ●疲労 ●頭痛 ●頻繁なしゃっくり ●全身の痒み ※何年間も無症状に経過することもあります。 この病気に関連して発生する可能性のある症状として、尿量の過剰、口渇、爪の異常、高血圧などもあります。 |
徴 候 | 検査結果で最初に異常が見られるのは、微量アルブミン尿が陽性になることです。最初に疑いを持たれるのは、糖尿病を持つ人が尿検査で尿中タンパク(タンパク尿)を示したときです。糖尿病の合併症のその他の徴候はあることもないこともあります。高血圧はすでにあるか、急速に出現することがあり、しばしばコントロールが困難です。網膜の検査(眼底検査)が糖尿病性網膜症を示すこともあります。 血清クレアチニンと血中尿素窒素は、腎障害の進行と共に増加します。 腎生検は診断を確認し、糖尿病性腎症の程度を調べるために行なわれます。 |
治 療 | この疾患は進行性です。治療の目標は腎障害の進行を遅らせ、合併症をコントロールすることです。血糖の定期的なチェックを行い、血糖値を厳密にコントロールすれば、この疾患の進行を遅らせることができます。血糖値コントロールのための食事療法も必要です。 高血圧は降圧薬を使って徹底的にコントロールする必要があります。高血圧がコントロールされないと、腎臓、目、血管などに損傷が起ります。高血圧のコントロールは糖尿病性腎症による腎障害を遅らせる最も効果的な方法です。 腎不全に対しては適切な治療を行います。高カリウム血症をおこすことも多く、薬剤または透析によって治療を行います。比較的初期から透析が必要なこともあります。 現在では腎移植も糖尿病性腎症の治療に用いられます。 そのほか尿路などでの感染をおこしやすく、適切な抗生物質を使って治療を行います。 |
予後と転帰 | 糖尿病性腎症は進行性の疾患です。非糖尿病性の糸球体疾患に比べて、尿毒性と慢性腎不全の合併症は早期に起り、進行も急速です。 透析または移植に伴う合併症は糖尿病性腎症ではより多く、この合併症による死亡率は同じ治療を受ける糖尿病患者でない人に比べて2倍です。 |
合併症 | ●低血糖(インスリンの排出低下による) ●急速に進行する慢性腎不全 ●末期腎不全 ●高カリウム血症 ●重篤な高血圧 ●透析の合併症 ●腎移植の合併症 ●他の糖尿病の合併症 ●腹膜炎(腹膜透析が行なわれた場合) ●感染の発生増加 |
主治医 | 尿検査で蛋白質が見られた場合は医師に受診します。 糖尿病性腎症の症状がある場合、または尿量減少または無尿などの新しい症状が現れた場合には医師に受診します 。 |
その他 | ---- |
糖尿病性神経障害
定 義 | 神経組織を侵す糖尿病の晩期の合併症。 |
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原因と危険因子 | 糖尿病患者は、経過中一時的あるいは恒久的な神経障害を認めることがあります。神経の障害は、血流の減少と高血糖値が原因で起こります。血糖値の管理がうまくおこなわれていないと、神経障害を発病する可能性が高くなります。神経障害を発病しない糖尿病患者もいれば、比較的早い時期にこの状態を発症する患者もいます。平均では、症状の発現は糖尿病の診断後10年から20年後に起きています。 末梢神経障害は、脳神経あるいは脊髄から出ている神経およびその分岐にみられます。このタイプの神経障害は、段階的に起こる傾向があります。始めは四肢、とくに足の間欠的な痛みおよびうずきが目立ちます。その後、この痛みがさらに激しく持続するようになります。最終的には、その部分の痛覚がなくなり、痛みのない神経障害が起こります。これは傷害を認知する痛みがないので、重篤な組織損傷を起こす危険性が著しく増します。 自律神経障害は、心臓の筋、平滑筋、および分泌腺を含む不随意的な生命機能を統制する神経を冒します。自律神経障害の結果、低血圧、下痢、便秘、性的インポテンツ、その他の症状が起こります。脳神経障害は視覚を冒し、眼疼痛を起こすことがあります。単神経障害は単一の神経を侵すもので、自然に回復することがよくあります。糖尿病性神経障害の発生率は、10,000人に6人です。 |
予 防 | 糖尿病のある患者は、血糖値の管理により、神経障害の発病を遅らせたり、神経障害の程度を軽くしたりできることがあります。 |
症 状 | ●しびれ ●うずき ●身体の一部あるいはやや広い部分のの感覚の鈍麻、感覚の脱失 ●下痢 ●便秘 ●膀胱の調節能の消失 ●インポテンツ ●顔のたるみ ●眼瞼下垂 ●口のたるみ ●視力の変化 ●めまい ●脱力 ●嚥下困難 ●言語障害 ●筋収縮 ※症状は障害された神経如何により変わり、上記以外の症状がみられることもあります。通常、症状は何年もかかって徐々に現われます。 |
徴 候 | 神経学的検査と感覚検査を含む理学的所見により、多くの神経障害が明らかになります。 |
治 療 | 糖尿病性神経障害の治療は、対症療法です。通常は鎮痛剤が処方されます。 |
予後と転帰 | 糖尿病性神経障害のメカニズムは、あまりよくわかっていません。現在のところ、治療により痛みが緩和され、一部の髄伴症状をコントロールすることができますが、一般に経過は進行性です。 |
合併症 | 感覚の脱とか運動機能の低下のために、怪我をする危険が高まります。 |
主治医 | 糖尿病性神経障害の兆候および症状が出たら、主治医に連絡してください。 |
その他 | ---- |
糖尿病性ケトアシドーシス
定 義 | ブドウ糖が体の燃料として十分に働かない時に、脂肪代謝の副産物(ケトン)から生ずる糖尿病の合併症。 |
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原因と危険因子 | 糖尿病のある人は、ブドウ糖を燃料として働かせるインスリンが欠如しているので、代りに脂肪が燃料として使われます。その脂肪代謝の副産物がケトンです。ケトンは血中で作られ、尿中にあふれ出ます。ケトアシドーシスと呼ばれる状態は、血液が体組織よりももっと酸性に傾いている時に現われます。肝臓で作られるブドウ糖が増加しているのに細胞がブドウ糖を取り込む量が減っていると、血糖値は1dlあたり300mgまで上昇します。糖尿病性ケトアシドーシスは、1型糖尿病の患者に最初に現われる症状と思ってよいでしょう。あるいは、感染、外傷、心臓発作、手術などで1型の患者に普段より多くのインスリンが必要になった結果ともいえるでしょう。2型の糖尿病患者の場合、激しいストレスに見舞われた時にだけケトアシドーシスが現われます。再発を繰り返す状態で、食事療法や治療の効果を上げられないでいると、この病気を引き起こします。 |
予 防 | 糖尿病患者は、ケトアシドーシスの初期の徴候や症状を、習って知っておくべきです。感染のある患者、あるいはインスリン・ポンプ治療を受けている患者の尿中ケトンを測っておくと、ブドウ糖測定だけよりも詳しい情報を得ることができます。 |
症 状 | ●頻尿あるいは激しい口渇が一1~2日続く ●疲労 ●悪心 ●嘔吐 ●筋硬直あるいは痛み ●昏睡に発展する可能性のある精神的昏迷 ●速い深呼吸 ●果物のような息のにおい(口臭) この病気に関連して発生する可能性のある症状として、激しい月経痛、頭痛、幻覚、意識、低下、速い呼吸、横臥時の呼吸困難、低血圧、食欲不振、腹痛 などもあります。 |
徴 候 | ●低血圧 ●早い心拍 ●脱水徴候 ●空腹時血糖が1dlあたり300mgまで増加 ●健康診断などでブドウ糖や尿中ケトンを検出 ●血清カリウム上昇の可能性 ●血清アミラーゼ上昇の可能性 ●動脈血ガスレベル、pH7.3以下 |
治 療 | 治療の目的は、インスリンを補う処置で上昇した血糖値を補正し、過剰な尿の排泄や嘔吐で失われた水分を補給することです。糖尿病患者の中には、初期の徴候に気づき、昏睡という重大な事態になる前に家庭で適切な処置がとれる人もいます。 もし、ケトアシドーシスの病状が重ければ、入院して加療する必要があります。この場合、インスリンが投与され、またこの病気の原因(感染など)が突きとめられ治療されるでしょう。 |
予後と転帰 | アシドーシスによる細胞のダメージは、重病や死につながります。若年の糖尿病患者のための治療法が改善され、ケトアシドーシスによる死亡率が下がりました。しかしながら、中高年や、治療の開始が遅れて深刻な昏睡状態になった人にとって、これは依然として非常に危険な病気です。 |
合併症 | ●低血圧の関係する急性心筋梗塞(組織の死)や腸組織の梗塞 ●腎不全 |
その他 | 糖尿病性ケトアシドーシスの初期徴候に気がついたら、医師の診察を受けて下さい。 悪心・嘔吐・果物のような口臭・精神的な昏迷・幻覚・呼吸困難・意識の減退など状態なら、病院の救急外来へ行くか、救急センター(119など)を呼び出してください。 |
糖尿病性低血糖昏睡
定 義 | 低血糖症は血中の糖(ブドウ糖)が異常に低くなる状況をいい、別名インスリンショックとも呼ばれます。インスリンショックは極度の低血糖症にのことで、意識消失をきたします。 |
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原因と危険因子 | 低血糖症はブドウ糖の消費が急速に過ぎたとき、血中へのブドウ糖の放出が消費量よりも少ないとき、血中に過剰なインスリンが放出されたときに起こります。 低血糖症は糖尿病患者では比較的よく見られます。インスリンまたは経口の抗糖尿病薬の量が多すぎたとき、十分な食物を取らなかったとき、食物の摂取量を増やさずに急激に運動量を増やしたときなどに起こります。 相対的な低血糖症は新生児ではよく見られます。新生児における重篤な低血糖症は妊娠性の糖尿病または糖尿病の母親から起こることがあります(「Infant of Diabetic Mother:糖尿病の母親をもつ新生児」の頭文字をとってIDMと呼ばれます)。母親の血糖値が常に高い場合、胎児の膵臓はインスリンを余計に分泌して、血糖値のコントロールに加わります。出産後は母親からの血糖がなくなるため、高いインスリンレベルが新生児の血糖値を危険なレベルにまで押し下げます。これは緊急を要する状況で、治療が行われないとてんかん発作や神経の障害をもたらすことがあります。 |
予 防 | 糖尿病の人は、主治医の食事、薬品、運動に関するアドバイスに従ってください。 妊娠糖尿病の女性では、血糖値の厳密なコントロールが必要です。妊娠性糖尿病は可能性のある母親を繰り返し検査すれば発見できます。出産後は、低血糖症の期間が過ぎるまで、定期的に新生児の血糖値をチェックします。 低血糖症の起こることが分かっている人は、症状が現われたときのため、手元に菓子類をおいておきます。摂食後15分たっても症状が改善されないときは、さらに食物を摂取します。 |
症 状 | ●疲労感 ●全身不快感、不安感、倦怠 ●神経過敏 ●興奮性 ●震え ●頭痛 ●空腹 ●冷汗 ●早い心拍 ●視野がぼやける、または複視 ●錯乱 ●痙攣 ●昏睡 この症状に関連して、過剰な発汗、睡眠困難、蒼白、筋肉痛、記憶喪失、脈打つ感覚、幻覚、卒倒、眼・瞳孔の大きさが異る、眩暈、意識低下 などの症状を発生する可能性があります。 |
徴 候 | ●血清グルコースレベル低下 ●血糖値の自己チェックで値が低い(50ml/dl未満) |
治 療 | 直ちに効果を得る方法として、砂糖を含む菓子類は血糖値を上げ、症状を改善します。 長期的なコントロールにおいては、ブドウ糖の体内への供給を1日中でより均一にし、更に低血糖症発作を防止するため、食事法の変更が必要な場合もあります。複合炭水加物、繊維質、脂肪からなる少量の食事を頻繁にとり、単糖類、アルコール、果物のジュースを避けることが食事法としてすすめられます。食事は規則正しく摂り、運動の量が増えた場合には食事量も増やしてバランスをとります。 ※糖尿病の母親をもつ新生児は血糖値低下をきたすので、血糖値を正常範囲内に維持するため、ブドウ糖溶液を静脈注射します。ブドウ糖は24~48時間かけて徐々に減量しますが、新生児はその間に血糖値を正常範囲内にコントロールしはじめます。 |
予後と転帰 | 重篤な低血糖症は、低血糖症の初期の徴候を知り、自分で適切な対応を行えば防止できます。治療のなされない低血糖症は意識消失につながることもあり、脳におけるブドウ糖欠乏が続くと、回復不可能な障害がおこることもあります。 |
合併症 | ●意識消失 ●昏睡 |
その他 | 低血糖症の初期の徴候が砂糖を含む菓子類をとっても改善されない場合、または糖尿病患者(または低血糖症を起こすことがわかっている人)が意識不明になり、覚醒しなくなった場合には病院の救急外来へ行くか、救急センターを呼び出してください。 |
糖尿病性高血糖性高浸透圧性昏睡
定 義 | 主にインスリン非依存型糖尿病の合併症で、脂肪代謝により生じるケトンを伴わない高血糖により起きます。 |
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原因と危険因子 | 糖尿病高血糖性高浸透圧性昏睡では、意識の減退、脱水著名、ケトアシドーシスのない状態での極端な高血糖などの症状がでます。この病気の症状は、インスリン非依存型糖尿病に見られるもので、これまで糖尿病と診断されたことのない人、あるいは糖尿病と知りながら放置していた人に発症します。この病気は、感染や、ブドウ糖耐性を損なったり脱水を促したりする薬剤の使用で悪化します。 ふつう、腎臓は余分のブドウ糖を尿中に排出して、高血糖を是正します。しかし脱水が起きると、腎臓は水分とブドウ糖のレベルを高く維持しようとして、よけいに脱水をひどくさせてしまいます。高浸透圧性とは、血液がナトリウム、ブドウ糖、そして水分を血流の中に摂り込もうとする分子をさらに凝縮させている状態を意味します。この状態では、脱水を悪化させ、血糖値を上昇させるという悪循環が生まれます。老齢、潜在的な腎臓不全、うっ血性心不全、インスリンや経口血糖降下薬を急に中止した経過、感染や卒中や最近の手術での急な体力の低下などが、危険因子としてあげられます。 |
予 防 | インスリン非依存型糖尿病を上手にコントロールし、脱水の徴候や感染に注意しましょう。 |
症 状 | ●脱力感 ●多尿 ●口渇増大 ●悪心 ●無気力 ●錯乱 ●痙攣 ●昏睡 ※症状の始めの段階は、数日、数週間で治まります。 この病気に関連して、言語障害、筋力の低下、ぎこちない動き、眼瞼下垂などの症状が発生する可能性があります。 |
徴 候 | ●38度以上の体温、心拍数が100以上、収縮期血圧低下(100以下)などのバイタルサイン |
治 療 | 治療の目的は脱水を解消することで、これにより血圧、少量の尿排出、悪循環が改善されます。水分とカリウムは静脈からの点滴で補います。高血糖には、普通のインスリン製剤(短期持続性のインスリン製剤)を投与します。 |
予後と転帰 | この病気が関係して死亡する率は50%以上です。 |
合併症 | ●急性循環系虚脱 |
その他 | 糖尿病性高血糖性高浸透圧性昏睡の症状が出てきたら、病院の救急外来へ行くか、救急センターを呼び出してください。 |
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