私は糖尿病です【I have diabetes...】
私は糖尿病患者です。管理人が自分の戒め、そして備忘録としてここに糖尿病についての情報・知識・思っていることを綴っています。深い意味はありません。ただ、患者がどのように思い、どのように生活しているかを知って欲しい…。そしてあなたの身近な大切な方の支えになってあげてください。検査と徴候
血液検査
通常肘の内側、または手の甲の静脈から血液を採取(静脈穿刺)します。穿刺する箇所を消毒薬できれいにし、駆血帯(伸張性の帯)または血圧カフを上腕にまいて圧力を加え、静脈の血流を妨げます。これにより駆血帯以下の静脈が膨満(血がたまる)します。静脈に針を挿入し、密閉したガラス管または注射筒に血液を取ります。作業中に駆血帯を外し、血流を回復します。採血が終わったら針を除去し、穿刺した箇所は出血を止めるため被覆を行います。
針を穿刺する際に、人によっては中程度の痛みを感じますが、それほどでない人もいます。その後動悸が速くなることもあります。
静脈穿刺については出血、卒倒またはめまい、血腫(皮下に血液が溜まること)、感染(皮膚が穿刺されるときには、わずかながら常にこの可能性があります)、静脈を探すために複数の箇所を穿刺することといったリスクを伴います。静脈や動脈のサイズは患者によって異なり、同じ患者でも右半身と左半身では異なります。また、患者の中には採血が簡単な人もいれば難しい人もいます。
●糖負荷試験(妊娠方糖尿病の疑いがある倍は妊娠24~28週に行います)
●ブドウ糖測定
●血糖値測定
●グリコヘモグロビン
●グルカゴン
●血清ケトン
●抗インスリン抗体測定
尿検査
できるだけ不純物の少ない尿を集めて標本にします(排尿し始めた時、または排尿の終わる寸前を避けて採取を行います)。そのためには、男性であれば陰茎の先端をきれいに拭き、女性であれば陰唇を石鹸水で洗い、よくすすぐ必要があります。排尿が始まってからしばらくの間は採取を行わず、尿をそのまま便器に落とします(これによって、尿道の不純物を洗い流す)。その後、尿を容器に採取し、医師か看護士に提出します。
24時間に排出される尿をすべて採取する場合は、第1日の朝、起床時の尿は採取せずにその後の24時間に排出された尿をすべて、専用の容器に採取します。採取用の容器は冷蔵庫、または涼しい場所に蓋をして保管します。第2日の 朝、起床時の尿を第1日と同じ容器に採取します。採取がすべて終わったら、名前・日付・採取完了時刻を書いたラベルを貼り、医療機関に返却します(具体的な方法については、医療機関の指示に従います)。
採取が完了したら、尿はできるだけ早く検査室か医療機関に送ります。
検査結果に影響を与える薬剤を使用している場合は、使用を中止するよう医療機関から指示されることがあります。
●尿 糖
●尿中ケトン
●24時間尿量
●クレアチニンクリアランス
●微量尿中アルブミン測定
その他の検査
●眼底検査
●視野検査
糖負荷試験
別 名 | GTT 経口糖負荷試験 OGTT |
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定 義 | 炭水化物(ブドウ糖)に対する耐性(血清グルコースを適切に使う能力)を検査します。 |
検査方法 | 糖負荷試験では、経口摂取された一定量の糖に対する耐性を、血清と尿中の糖の量を測定して評価します。静脈採血を行い、ブドウ糖を傾向で摂取した後、血糖値(及び尿中の値)を30分後、1時間後、2時間後、3時間後に測定します。 |
検査の準備 | 検査前12時間、及び検査中は何も食べないようにします。医師の指示により、検査に影響する薬物類を控えるようにします。 |
検査の際に感じること | 尿検査については通常の排尿行為であり、不快感は感じません。採血については一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 糖尿病または低血糖症の人には、通常この検査は行いません。これらの疾患を持つ人が、検査中に何らかの副作用を示した場合には、投薬を行います。 |
検査を行う理由 | この検査は通常、糖尿病が疑われたときに行われます。また糖尿病を伴わない低血糖症(炭水加物不耐性)の診断にも使われます。 また、代謝性疾患による痴呆、グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ)、IDDM(インスリン依存性糖尿病)、ランゲルハンス島腫瘍、ネフローゼ症候群の場合もこの検査を行うことがあります。 |
正常値 | 尿中濃度:陰性(ブドウ糖は存在しない) 血中濃度:絶食時:60から100mg/dl→1時間後:160mg/dl未満→2時間後:120mg/dl未満 |
異常値の意味 | 値が正常値よりも高い場合には、糖尿病、妊娠性糖尿病の可能性があります。 また、値が正常な範囲にない場合には、低血糖症の可能性があります。 |
特別な注意 | 血糖値は急性のストレス(たとえば外科手術や感染)や激しい運動の要素によって変動します。 抗高血圧薬類、消炎剤(非ステロイド類)、ベータ阻害薬類-経口、フロセミド(フロセミド-経口を参照)、ニコチン、向精神薬、コルチコスチロイド、チアジド系利尿薬類等の薬物はブドウ糖不耐性をもたらします。 以前の胃切除術、短小腸症候群、吸収障害などのため、人によっては100gのブドウ糖に耐えられない場合があります。この場合には経静脈的に糖負荷試験を行えますが、正常値の範囲は若干異なってきます。 静脈と動脈の太さは人によっても、体のどちらの側かによっても差があります。人によっては血液サンプルの採取が難しいことがあります。 |
ブドウ糖測定
別 名 | 血糖値 FBS 空腹時血糖 |
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定 義 | 血中のブドウ糖の量を測定します。 |
検査方法 | 通常静脈採血を行います。 |
検査の準備 | 検査前6時間は何も食べないようにします。 |
検査の際に感じること | 一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 一般的な静脈穿刺の際のリスクを伴います。 |
検査を行う理由 | この検査は血液中のブドウ糖の量(血糖値)を測ります。これは糖尿病の診断、糖尿病コントロールのモニター、およびスクリーニングに使われます。 食物中の炭水化物のほとんどは、血中のブドウ糖に変換されます。食事後すぐに使用されないブドウ糖はグリコーゲンに変換されて肝臓と骨格筋に蓄えられます。食間には、グリコーゲンは肝臓で徐々にブドウ糖に分解されて、血液中に放出されます。余ったブドウ糖はトリグリセリドに変換されてエネルギーの貯蔵に使われます。 ブドウ糖は、体内のほとんどの細胞にとって主なエネルギー源です。細胞によっては(たとえば脳細胞や赤血球)、ほぼ完全にエネルギーを血糖に依存します。たとえば脳が正常に機能するためには、血中のブドウ糖の濃度が一定の範囲内になければなりません。濃度が30mg/dl以下または300mg/dl以上になると、錯乱または意識消失が起こります。 体内のブドウ糖の濃度を制御する直接的なホルモンはインスリンですが、グルカゴン、エピネフリン、コルチゾルなどの他のホルモンも影響を及ぼします。 血糖値の測定は、糖尿病の診断と、糖尿病コントロールがうまく行われているかどうかを見るために行われます。 |
正常値 | 空腹時:60~100mg/dl 食物摂取後:絶食時:→60~160mg/dl 但し身体活動度、食事、インスリン注射によって変化します。 |
異常値の意味 | 値が低すぎる場合は、低血糖症です。若干のブドウ糖(食物)を取り、次回以降のインスリン量を変更する必要があります。 値が高すぎる場合は高血糖症であり、インスリン量を増加しなければならない可能性があります。 |
特別な注意 | 激しいストレス(たとえば外傷、発作、心臓発作、外科手術)は一時的に血糖値を上げることがあります。 トリサイクリック系抗鬱剤、コルチコステロイド類、ジアゾキシド、IVデキシトロース、利尿薬類、エピネフリン、エストロゲン類、グルカゴン、イソニアジド、リチュウム、フェノチアジン類、フェニトイン、サリチル酸塩類、トリアムテレン などの薬剤は血糖値を上昇させます。 また、アセトアミノフェン-経口、アルコール、同化促進性ステロイド類、クロフィブレート、ディソピラミド、ジェムフィブロジル、モノアミン酸化抑制剤類、ペンタミジン、トラザミド、トルブタミドなどの薬剤は血糖値を下降させます。 |
血糖値測定
別 名 | 随時血糖 |
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定 義 | 絶食を必要とせず、随時に測定される血中のブドウ糖の測定です。糖尿病患者では自分で測定することもできます。 |
検査方法 | 指先を針で突き、血液の滴を試薬(特殊な反応を示す化学物質)パッドに滴下します。パッドは血中のブドウ糖濃度に応じて変色しまから、カラーチャートと比較します(血液を滴下してからの時間が非常に重要です)。もうひとつの方法では、携帯型のブドウ糖メーターを使ってパッドを読み取り、結果がディスプレイに数値で表示されます。 |
検査の準備 | 時間が重要ですから、必要な道具はすべて手の届くところに並べておきます。指先を石鹸と水で洗うか、アルコールを含ませた綿で拭います。針で突く前に指先を完全に乾かします。 |
検査の際に感じること | 指先を突くときに若干の痛みがあります。 |
検査にともなう危険 | 突いた箇所が化膿する可能性が、わずかながらあります。少量の出血が見られることもあります。 |
検査を行う理由 | 糖尿病患者は、この検査により血糖値が正常範囲内にあることを確認できます。血糖値が高すぎるか低すぎる場合(糖尿病または低血糖症)には、直ちに適切な措置を行います。 この検査は血糖値のスクリーニングにも使えます。 |
正常値 | 空腹時:60~100mg/dl 食物摂取後:絶食時:→60~160mg/dl 但し身体活動度、食事、インスリン注射によって変化します。 |
異常値の意味 | 値が低すぎる場合は、低血糖症です。若干のブドウ糖(食物)を取り、次回以降のインスリン量を変更する必要があります。 値が高すぎる場合は高血糖症であり、インスリン量を増加しなければならない可能性があります。 |
特別な注意 | モニターを使う場合は、正しい手順に従わないと不正確な結果になります。 糖尿病と診断されたことのない人で、結果が正常な範囲にない場合は、空腹時血糖または糖負荷試験が必要なことがあります。医師に相談してください。 |
グリコヘモグロビン
別 名 | GHb 糖尿病管理のための指標 ヘモグロビンA1c |
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定 義 | 血液中のグリコヘモグロビンの量を測定します。 |
検査方法 | 通常静脈採血を行います。 |
検査の準備 | 絶食等の準備は必要ありません。 |
検査の際に感じること | 一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 一般的な静脈穿刺の際のリスクを伴います。 |
検査を行う理由 | この検査は、糖尿病を持つ人の血糖値コントロールをモニターするのに使われます。 正常な人では赤血球中のヘモグロビン(Hb)分子のうち、わずかな割合がブドウ糖と化学的に結合してグリコヘモグロビンになっています。グリコヘモグロビンは通常のヘモグロビンから電気泳動によってHbA1a、HbA1b、HbA1cの3つの分画に分けられます。通常HbA1cのみを測定します。ブドウ糖との結合の割合は、時間とブドウ糖の濃度に比例します。つまり古い赤血球はグリコヘモグロビンの割合が高く、よくコントロールされていない(血糖濃度が高くなる)糖尿病でもグリコヘモグロビンの割合が高くなります。 |
正常値 | 正常範囲は、ヘモグロビンのうちグリコヘモグロビン(HbA1c)の割合が4.3%~5.8%の間にある場合が正常とされます。 |
異常値の意味 | 血糖値が数週間から数か月の間、適切にコントロールされていません。 |
特別な注意 | 静脈と動脈の太さは人によっても、体のどちらの側かによっても差があります。人によっては血液サンプルの採取が難しいことがあります。 |
グルカゴン
別 名 | 血清グルカゴンラジオイムノアッセイ |
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定 義 | 血中のグルカゴン値を測定する検査 |
検査方法 | 通常静脈採血を行います。 |
検査の準備 | 特に必要は必要ありません。 |
検査の際に感じること | 一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 一般的な静脈穿刺の際のリスクを伴います。 |
検査を行う理由 | 低血糖(低グルコース値)が慢性的に、または頻回に起こる患者に対してグルカゴン値測定が行われます。 グルカゴンは膵臓から放出されるペプチド(蛋白質)ホルモンです。主として、食間に肝臓を刺激してグルコースを放出させる働きがあります(通常グルコースはグリコーゲンとして肝臓に貯蔵されています)。また、筋肉からアミノ酸(アラニン)を放出させる働きがあります。さらに、グルカゴンは、脂肪組織から脂肪酸を放出させたり、肝臓で(乳酸やアミノ酸から)グルコースを合成させます。グルコース値が低下すると、膵臓からのグルカゴン分泌が上昇し、反対にグルコース値が上昇すると、膵臓からのグルカゴン分泌が減少します。 |
正常値 | 正常値範囲:50~100pg/ml pg/ml=ミリリットルあたりピコグラム |
異常値の意味 | 高い値:グルカゴン産生腫瘍(グルカゴノーマ) ランゲルハンス島腫瘍や多発性内分泌腺腫症(MEN)Ⅰ型が疑われる場合も、検査が行われる事があります。 |
特別な注意 | ---- |
清ケトン
別 名 | アセトン体 ニトロプルシド試験 ケトン-血清 |
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定 義 | ケトン体の量を測定する血液検査。 |
検査方法 | 通常静脈採血を行います。 |
検査の準備 | 検査前の4時間は飲食しないでください。 |
検査の際に感じること | 一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 一般的な静脈穿刺の際のリスクを伴います。 |
検査を行う理由 | この検査は、ケトアシドーシスの診断に用いられますが、この原因はいくつかあります。 ケトン体(アセトン、アセト酢酸、ベータヒドロキシ酪酸)は余分な脂肪酸から肝臓で合成されるもので、体内の様々な組織、特に筋肉がエネルギー源としてケトン体を利用することができます。 グルカゴン、成長ホルモン、エピネフリンによって刺激されると、脂肪組織から脂肪酸が分泌されます。これらのホルモンは、血清グルコース濃度が低いと(低血糖症)増大します。正常な体であれば、この機能が有効に働きます。つまり一部の組織、特に筋肉は脂肪酸やケトン体をブドウ糖の代わりにエネルギー源として利用でき、これによってブドウ糖はブドウ糖のみに頼る組織、特に脳や赤血球用に供給できるからです。 重度のケトン症(ケトン体の濃度が増大)は、主にコントロール不良の糖尿病、飢餓、アルコール中毒が原因で生じます。アセト酢酸およびベータヒドロキシ酪酸は酸なので、ケトン症は代謝性アシドーシス、すなわちケトアシドーシスとなります。 |
正常値 | 一般的なケトン体検査は定性検査であり、陰性が正常値になります。 |
異常値の意味 | 高濃度ケトン体の検査で陽性の場合、コントロール不良な糖尿病の状態を示唆しています。 |
特別な注意 | 食事中の炭水加物が低濃度であると、ケトン体の増大を招きます。 ケトン体があるかどうか調べるために検尿を実施することもあります。 |
抗インスリン抗体測定
別 名 | ---- |
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定 義 | インスリン抗体が存在するか診断する検査です。 |
検査方法 | 通常静脈採血を行います。 |
検査の準備 | 特に必要ありません。 |
検査の際に感じること | 一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 一般的な静脈穿刺の際のリスクを伴います。 |
検査を行う理由 | この検査は、インスリン依存性糖尿病患者で、インスリンがもはや糖尿病を制御できなくなった場合に行われます。また、インスリンに対するアレルギー性反応が見られた場合にも行われます。 この検査では、インスリンや各種細胞に対する免疫機構反応の測定を行います。医師によっては、インスリン抵抗性を確認したりインスリンアレルギーの原因究明を行うために実施することがあります。 |
正常値 | 血中にインスリン抗体が存在しなければ正常です。 |
異常値の意味 | インスリンに対するIgG抗体やIgMIgM抗体が多く出現すると、インスリンは体内で異物と認識され、即座に中和されてしまいます。つまり、血中を流れるグルコースを細胞内に移動させるというインスリン本来の機能が果たせなくなります。その結果、同じ作用を発揮するのに必要なインスリンの量が増します。この現象がインスリン抵抗性と呼ばれるものです。 この検査でインスリンに対するIgE抗体が高値を示した場合、インスリン治療に対するアレルギー性反応が存在することを示しています。 |
特別な注意 | ---- |
尿 糖
別 名 | 尿中グルコース |
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定 義 | 尿中のグルコース(糖)の量を調べるための検査です。 |
検査方法 | 尿中グルコースの量は、通常、色の変わるパッド(グルコースだけに反応する特殊な物質を染み込ませたもの)を取り付けた試験紙を使って調べます。パッドがどのような色に変ったかによって、グルコースのおおよその濃度を判断します。 |
検査の準備 | 検査結果に影響を与える薬剤を使用している場合は、使用を中止します。 |
検査の際に感じること | 通常の排尿行為のみであり、不快感は伴いません。 |
検査にともなう危険 | この検査はリスクは伴いません。 |
検査を行う理由 | この検査は、糖尿病の疑いがある患者のスクリーニングのため、または糖尿病患者(グルコースを調整する治療を受けている人)の血糖のコントロール状態をモニターするために行われるのが最も一般的です。 食物に含まれる炭水化物の大部分は、最終的に血液中のグルコースになります。食事によって過剰なグルコースができたときは、グリコゲンのかたちで肝臓や骨格筋に蓄えられます。蓄えられたグリコゲンは、しばらく何も食べずにいると肝臓によって分解されて再びグルコースに変わり、血液中に流れ出します。 グルコースは、体内の多く細胞の主要なエネルギー源です。細胞の中には、血糖だけをエネルギー源としているものもあります(脳細胞、赤血球などがそれにあたる)。たとえば、脳は、血液中のグルコースの濃度が一定の範囲内にないと正常に機能しません。血液中のグルコースの濃度が30mg/dlを下回ったり、300mg/dlを上回ったりすると、錯乱や意識消失が起こります。 |
正常値 | 随時尿を使用した場合:グルコースが検出されなければ正常 24時間尿を標本に使用した場合:0.5g/日未満であれば正常です |
異常値の意味 | 尿中グルコースの量が正常範囲を越えると糖尿病の可能性があります。 |
特別な注意 | セファロスポリン、抱水クロラール、クロラムフェニコール、利尿薬(ループ利尿薬とサイアザイド)、エストロゲン、イソニアジド、レボドパ、リチウム、ナリジクス酸、ニコチン酸(大量に投与した場合)などの薬剤は尿中グルコースを増加させる作用があります。 |
尿中ケトン
別 名 | アセトン |
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定 義 | 尿中のグルコース(糖)の量を調べるための検査です。 |
検査方法 | 尿中ケトンが存在するかどうかは、通常、変色性のあるパッド(ケトン体だけに反応する特殊な薬品を染み込ませたもの)を取り付けたゲージを使って調べます(これを「スポットテスト」と言う)。変色すれば、「尿中ケトンが存在する」ということになります。 |
検査の準備 | 特別な食事をとるよう勧められることがあります。また、検査結果に影響を与える薬剤を使用している場合は、使用を中止します。 |
検査の際に感じること | 通常の排尿行為のみであり、不快感は伴いません。 |
検査にともなう危険 | この検査はリスクは伴いません。 |
検査を行う理由 | ケトン(β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトン)は、脂肪酸が急速に(または過剰に)分解された結果として生成される物質です。グルコースと同じように、ケトンも血中濃度が一定以上になると尿中に流出します。脂肪組織から遊離した脂肪酸を刺激するのは、グルカゴン、エピネフリン、成長ホルモンなどの様々なホルモンです。これらのホルモンは、飢餓に陥ったり、糖尿病(放置された場合)をはじめとする様々な病気にかかったりすると増加します。 |
正常値 | 検査の結果が「陰性」であれば正常です。 |
異常値の意味 | 糖尿病を放置している場合、検査の結果が陽性になります。 |
特別な注意 | 特殊な食事をとると検査結果が変わることがあります。たとえば、炭水加物が少なく、蛋白質と脂肪の多い食事は、尿中ケトンの量を変化させる可能性があります。 ブロムスルファレン、イソニアジド(大量に投与した場合)、イソプロパノール、レボドーパ、パラアルデヒド、フェナゾピリジンなどの薬剤は偽陽性になる可能性があります。 |
24時間尿量
別 名 | 24時間蓄尿; 尿量 |
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定 義 | 一日に排出される尿の総量を測定する検査です。 |
検査方法 | 24時間に排出される尿をすべて採取します。 |
検査の準備 | 特別な準備は必要ありません。通常通りに飲んだり、食べたりしてください。 |
検査の際に感じること | 通常の排尿行為のみであり、不快感は伴いません。 |
検査にともなう危険 | この検査はリスクは伴いません。ただし、24時間分の尿がすべて採集されていないと、不正確な結果が出る恐れがあります。 |
検査を行う理由 | 尿量の測定は、通常、クレアチニンクリアランス検査、または一日に排出される物質(アルドステロン、ナトリウム、カリウム、尿素窒素など)の総量を測定する検査の一部として行われます。また、尿崩症や糖尿病など多尿症(尿の総量が異常に多い)の患者に対しても、この検査は実施されます。 |
正常値 | 正常な排尿量は、水分摂取量にもよりますが、400mlから2000ml/日となります。 |
異常値の意味 | 尿量減少を引き起こす尿量の異常要因には、脱水、不適切な水分の摂取、または腎不全/腎機能障害などが含まれます。 |
特別な注意 | 血糖値は急性のストレス(たとえば外科手術や感染)や激しい運動の要素によって変動します。 抗高血圧薬類、消炎剤(非ステロイド類)、ベータ阻害薬類-経口、フロセミド(フロセミド-経口を参照)、ニコチン、向精神薬、コルチコスチロイド、チアジド系利尿薬類等の薬物はブドウ糖不耐性をもたらします。 以前の胃切除術、短小腸症候群、吸収障害などのため、人によっては100gのブドウ糖に耐えられない場合があります。この場合には経静脈的に糖負荷試験を行えますが、正常値の範囲は若干異なってきます。 |
クレアチニンクリアランス
別 名 | 糸球体瀘過量 GFR |
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定 義 | 「腎臓によって1分間にどの程度の量の液体が濾過されるか」を調べるための検査です。 |
検査方法 | 24時間に排出される尿をすべて採取します。また、通常静脈採血を行います。 |
検査の準備 | 検査結果に影響を与える薬剤を使用している場合は、使用を中止します。 |
検査の際に感じること | 尿検査については通常の排尿行為であり、不快感は感じません。採血については一般的な静脈穿刺の際の感覚を感じます。 |
検査にともなう危険 | 尿検査については特にリスクは伴いませんが、採血については一般的な静脈穿刺の際のリスクを伴います。 |
検査を行う理由 | クレアチニンクリアランスは、糸球体瀘過量(腎臓によって1分間に濾過される液体の量)を測定する方法の1つです。尿クレアチニンと血清クレアチニンの濃度、そして24時間に排出された尿の総量をもとに計算で求めます。計算の際は、体の大きさによる違いを補正するための値も使用します。クレアチニンクリアランスは、年齢とともに減少していくのが普通です。 糸球体瀘過量を知るためにクレアチニンを使うのは、体内に普通に存在し、いったん濾過されるとほとんど再吸収されることがないからです。腎臓で作られる濾液の量は、糸球体を通り抜ける血液の量や、糸球体の(フィルターとしての)能力によって決まります。 |
正常値 | 男性:97~137ml/分 女性:88~128ml/分 |
異常値の意味 | 糸球体瀘過量が正常値より少ない場合は、腎臓の機能に問題が起きている可能性があります。 |
特別な注意 | 蓄尿不完全、妊娠や激しい運動、利尿薬を使用すると正常値より大きな値が出ることもあります。 アミノグルコシド系抗生剤、シメチジン(商品名タガメット)、シスプラチン、セファロスポリンをはじめとする腎毒性の薬などの薬剤はクレアチニンクリアランスを減少させる可能性があります。 |
微量尿中アルブミン測定
別 名 | ---- |
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定 義 | 尿中アルブミン(ごく微量存在する)を検出することだけを目的として行われる検査です。 |
検査方法 | 24時間に排出される尿をすべて採取します。 |
検査の準備 | 検査結果に影響を与える薬剤を使用している場合は、使用を中止します。 |
検査の際に感じること | 通常の排尿行為のみであり、不快感は伴いません。 |
検査にともなう危険 | この検査はリスクは伴いません。 |
検査を行う理由 | この検査は、通常、1型ならびに2型I糖尿病にかかって数年経過した患者に対して行われます。糖尿病性腎症を早期に発見するのが主な目的です。日本では2型糖尿病に対してもよく行われます。 尿中に排出される蛋白質の量は、健常腎では一日に150mg(濃度では10mg/dl)未満です。この蛋白質は血しょうと尿路に由来するもので、ほぼ同量のアルブミン、小グロブリン、タム-ホースフォール蛋白(遠位の尿細管細胞から分泌される糖蛋白)から構成されています。濾過された蛋白質の多くは近位の尿細管細胞によって吸収されるので、尿から蛋白質が検出されることは通常ほとんどありません。糖尿病性腎症の初期には、これが150mg/日以上に増加します。 |
正常値 | 標準 : 30mg/day未満(分泌された蛋白質の総量) 微量アルブミン尿 : 30~200mg/day 注:「mg/day」とは、「ミリグラム/日」のことです。 |
異常値の意味 | 尿からアルブミンなどの蛋白質が検出されたときは、腎臓の機能に問題が起きている可能性があります。微量アルブミン尿は、糖尿病性腎症の典型的な初期徴候です。 |
特別な注意 | 健康な人でも、激しい運動をしたり、体の水分が欠乏したりすると、正常値より大きな値が出ることもあります。 |
眼底検査
別 名 | 検眼鏡検査 |
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定 義 | 網膜、視神経乳頭、および血管などを含める眼球の後方部分(眼底)の検査です。 |
検査方法 | 直接検眼鏡検査 患者が暗い部屋に腰をかけると、検者は検眼鏡から光線を発射してこの一般的な検査を行います。検眼鏡とは、懐中電灯の大きさの器機で、瞳孔を通して眼球の後方部分を見るためのものです。検眼鏡の上部には回転レンズが付いており、検査している特定の箇所(血管、神経、網膜)を最高15段階で拡大することができます。目は片方づつ検査され、検査の所要時間は約3分から5分です。 間接検眼鏡検査 患者が少し頭をもたせかける位置で横たわるか、腰掛けると、検者は患者の目を開いたままの状態で検査を実施します。検者は頭上に炭坑夫の灯りに似ている器機を付けています。患者の目を広げて手に持った器機を使用しながら、検者は目に非常に強い明かりを当てます。場合によっては、小型で先の丸い器機を使用して眼球に若干の圧力を加えて、患者に様々な方向を見るように指示します。この検査の所要時間は約5分から10分です。 |
検査の準備 | 間接検眼鏡検査は、点眼薬を目に落として瞳孔を広げてから行います。また、直接検眼鏡検査を実施する場合は、瞳孔を広げても広げなくても実施できます。瞳孔を広げる点眼をしたことで、目が数時間見えづらくなることがあります。そのため、検査後の患者の移動方法をあらかじめ決めておくことが必要です。瞳孔の開いた患者は、サングラスやほのかに色の付いたレンズを着用すると見えやすくなります。 薬物に対するアレルギーがある場合や薬物を服用中の場合、過去に緑内障に患ったことがある(または家族で緑内障を経験したものがいる)場合は検査官に相談してください。 |
検査の際に感じること | 直接検眼鏡検査 検眼鏡の焦点が合わせるときに、カチカチという音が聞こえます。眼球に強い明かりを当てられると、残像が短い間見えることがあります。 間接検眼鏡検査 間接検眼鏡検査では、直接検眼鏡検査よりも強い明かりを使用するので、残像の感覚がより鮮明になる可能性があります。眼球に先の丸い器機を当てられて圧力を加えられると、若干不快に感じるかもしれませんが、痛みはありません。一般的に基底部は白内障があっても見ることができます。 点眼薬が使用される場合には、点眼時に目にわずかな刺激を感じることがあります。また、涙管から咽頭に目薬が流れることで、口の中に薬の味がすることもあります。 |
検査にともなう危険 | 検査自体には何ら危険性はありません。瞳孔を広げる点眼薬を使用することで、悪心、嘔吐、口腔の乾繰、紅潮、眩暈、または狭隅角緑内障がまれに発生することがあります(狭隅角緑内障を誘因する恐れがあるときは、点眼薬は通常は使用されません) 。 |
検査を行う理由 | 検眼鏡検査は、緑内障などの目の病気の症状を検査して判断するため、または糖尿病、粥状硬化症、高血圧などの疑いがある場合に、一般的な身体検査の一部または目の総合検査の一部として行われます。 |
正常値 | 網膜、血管、および視神経乳頭が、正常に見えなければなりません。 |
異常値の意味 | 白内障、曇った硝子体、網膜剥離、視神経の変性または膨張、および緑内障による変化などが、発見できます。 |
特別な注意 | 検眼鏡検査によって、心臓や血管の病気(特に高血圧)、脳の疾患、糖尿病、および特定の目の病気が、初期段階および早期の身体症状で発見できるため、非常に重要な検査の1つです。 |
視野検査
別 名 | 自動視野測定検査 対面視野測定 平面視野計検査 |
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定 義 | 視野とは、目の焦点をを中央の点に定めている間に、物体が見える全域のことです。 |
検査方法 | 対面視野測定検査 簡単な視野の測定は、検査者が患者の前に座って行います。片方の目を覆い、検査者の目を見たままで、周辺から中央に動かしている検査者の手が見えたら知らせるように言われます。 平面視野計検査 中央に固視点を置いた状態で、スクリーンから約3フィート離れて座るように指示されます。視標が見えた段階で、検査者に知らせます。この方法で、視野を図示することができます。 自動視野測定検査 凹面のドームの前に座って、ドーム内の中央の点に視線を固定します。コンピュータ制御のプログラムによって、ドーム内の様々な位置で小さいライトが点滅します。閃光が見えたら、ボタンを押して知らせます。各自の反応と、「age-matched」制御を比較して、視野の欠損有無を確かめます。 |
検査の準備 | 視力検査のために特別な準備は必要ありません。 |
検査の際に感じること | 不快感はまったくありません。 |
検査にともなう危険 | 検査に伴うリスクはありません。 |
検査を行う理由 | 損失している視野の広さを検知、および測定するための検査です。 |
正常値 | 視野の大きさが正常な場合 |
異常値の意味 | 検査結果が異常の場合は、脳内の視神経、視索、後頭部などを損傷、あるいは圧迫する疾病、または中枢神経系の腫瘍があることを意味します。視野に影響を与える疾病には、糖尿病、腫瘍、甲状腺機能亢進(甲状腺がホルモンを過剰分泌する状態)、高血圧、および多発性硬化症などがあります。 |
特別な注意 | ---- |
関連リンク
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